001
人吉市 2021.03.01
人吉市
2022.01.21
のどかな人吉駅から歩いて20分ほど、緑豊かな球磨川沿いにあるコワーキングスペース『osoto Hitoyoshi』。
思わず「キャンプ!?」と驚いてしまいそうなテント、焚き火、アウトドアチェアが並ぶ『osoto Hitoyoshi』には、ほかのコワーキングスペースにはないユニークさと、ワクワクしてしまうような新鮮さがいっぱいです。
今回は、そんな熊本県人吉市のコワーキングスペース『osoto Hitoyoshi』に取材をさせていただきました。
“自然”に囲まれながら、“自然”と仕事が上手くいく。
キャンプに来たような新鮮さで、まるでオフィスのような快適さで仕事ができる『osoto Hitoyoshi』の魅力について詳しくご紹介します。
出典元:https://hitoyoshikuma-guide.com/2019/04/27/kumariva/
『osoto Hitoyoshi』は、日本遺産をはじめとする観光振興の拠点『人吉市まち・ひと・しごと総合交流館 くまりば』の施設内にあるコワーキングスペースです。
平成30年にオープンしたばかりの施設内は、現代的さもありつつ人吉球磨の伝統を感じることができる空間で、広々として過ごしやすい雰囲気。
『人吉市まち・ひと・しごと総合交流館 くまりば』は起業創業の相談も受け付けているので、得たアイディアを形にできる流れができている、という点も『osoto Hitoyoshi』の魅力のひとつといえるでしょう。
また、人吉駅から歩いてアクセスできるのも嬉しいポイント。のんびりとお散歩気分で20分ほど歩いたら、『osoto Hitoyoshi』に到着です!
『osoto Hitoyoshi』はosoto(おそと)という名前の通り、室内なのにまるで屋外にいるような開放感あるコワーキングスペースが特徴。
自然が好きな方はもちろん、都会の喧騒に疲れてしまった方も、リフレッシュと仕事が同時に叶えられる場所です。
出典元:https://www.facebook.com/osotohitoyoshi/
1階の「コワーキングスペース」にはたくさんの窓があり、日中は光が差し込むあたたかい雰囲気。取材時は日中でしたが、時間帯によって、夕陽や星空など、人吉ならではの自然を目一杯楽しめそうです。
焚き火セットを囲むアウトドアチェアで仕事ができるほか、テントやドリンクスペースもあります。
出典元:https://www.city.hitoyoshi.lg.jp/q/aview/170/13269.html
コワーキングスペースの窓を開けると、「コワーキングスペースウッドデッキ」につながっています。
ウッドデッキに椅子や机を運び出せば、球磨川の流れる音を聞きながらランチを楽しむことも可能。夜には焚き火を囲みながら、利用者同士でのんびりと語り合うこともできます。
コワーキングスペースの一角にはドリンクスペースがあり、なんと、ハンドドリップコーヒーを楽しむことが可能です。
無料ドリンクサービスのあるコワーキングスペースはたくさんありますが、ハンドドリップでコーヒーを淹れることができるのは『osoto Hitoyoshi』ならでは。
しかも、どこでも買えるものではなく、人吉市のコーヒー屋さんのコーヒー粉を用意しているというこだわりも。
ボックス型のフォンブースも用意されているため、重要な電話がかかってきたときも安心。
実際に中に入って大きな声を出してみましたが、防音仕様になっているため音漏れもしませんでした。
出典元:https://www.city.hitoyoshi.lg.jp/q/aview/170/13269.html
2階部分は、木のぬくもりを感じるおしゃれなサテライトオフィス。首都圏などで仕事をしている企業が入り、仕事をしています。
コワーキングスペースと同じく球磨川を眺めながら仕事ができるので、作業に疲れたときは景色を眺めてひと休みも良さそうです。
出典元:https://www.instagram.com/p/CQNS80LFXWN/
2階にはシェアオフィスもあります。
1階のコワーキングスペースとはまた少し違った雰囲気があり、リラックスしながら毎日仕事をするのにぴったりな環境です。
出典元:https://www.city.hitoyoshi.lg.jp/q/aview/170/13269.html
『osoto Hitoyoshi』には、Wi-Fi付きの会議室もあります。
ホワイトボード、プロジェクター、音響などの設備もあるため、会議やミーティング時も便利に利用できますよ。
出典元:https://www.osoto.work/
『osoto Hitoyoshi』の施設内に併設された温泉では、日本遺産にも登録された人吉温泉を楽しむこともできます。
男湯・女湯・家族風呂があるので、源泉かけ流し温泉で仕事や旅の疲れを癒やすのもおすすめです。
※2020年7月豪雨災害により温泉は休業中
施設名 | osoto Hitoyoshi (人吉市まち・ひと・しごと総合交流館 くまりば) |
---|---|
運営会社 | 一般社団法人ドットリバー |
住所 | 〒868-0012 熊本県人吉市相良町4-2 |
アクセス | 人吉駅からタクシー4分、レンタルサイクル10分、徒歩20分 |
電話番号 | 050-1743-1594 |
営業時間 |
|
休館日 | 土曜、日曜、祝日 |
料金プラン | 【会員利用】
|
サービス・設備 |
|
リンク |
それではここからは、インタビュー内容について詳しくご紹介していきます。
今回の取材では『osoto Hitoyoshi』を運営する一般社団法人ドットリバーのコミュニティマネージャー・衹園下千裕さんにお話を伺いました。
――『osoto Hitoyoshi』は、いつ・どのような経緯で作られた施設なのでしょうか?
もともと、50年以上前に立てられたこの建物は「国民宿舎」としてずっと使われていました。
(球磨川では「尺鮎」と呼ばれる30cm以上の鮎が釣れるため)全国から鮎釣りのお客さんがここに釣りに来て、その人たちが2週間、1ヶ月とか長期滞在する建物だったんですね。
ですが熊本地震の影響もあり、宿泊者が圧倒的に減ってしまって。2年間くらいここは何もない、空っぽの施設として、使われていなかったんです。
そんなとき、この建物を所有する人吉市役所が「どこか有効活用してくれる企業はないか」と募集をかけていて。
それがちょうど、私たちとつながりのあったスノーピークさんの子会社「スノーピークビジネスソリューションズ」が『osoto ◯◯』という冠をつけたコワーキングスペース(※)をちょうど展開し始めようとしている時だったんです。
「人吉なら、自然との融合できっと面白くなる」そう思って人吉市に提案させていただいて、業務委託という形で2019年7月12日に、全国3箇所目のosotoとしてオープンしました。
(※)スノーピークビジネスソリューションズが提唱する「osoto」のノウハウを活かした、全国に広がるコワーキングスペース・シェアオフィス
――施設のコンセプトについて教えていただけますか?
自然との融合の中で「自然と仕事が上手くいく」が、『osoto Hitoyoshi』のコンセプトです。
人工芝の上で、球磨川を眺めながら、焚き火を囲みながら、テントの中で働くことで普段出ないアイディアが出る。
熊本も40箇所くらいコワーキングスペースがあるんですけど、このコンセプトでやっているのはうちだけなので、強みでもあるし、これを求めてやってくるお客さんも結構いらっしゃいますね。
また、コワーキングスペースでは、ただ仕事をするだけではなく、他の利用者の方とのつながりを求めている方もいらっしゃるので、他の企業との交流や、人と人とのつながりもサポートしています。
市役所とつなげたり、地元企業とつなげたり。一泊しますという人がいたら「飲みましょう」って球磨焼酎(人吉・球磨地方は米焼酎「球磨焼酎」の産地として有名)の美味しいお店を紹介したり(笑)
都会の方や若い方も「地方とのつながりを持ちたい!」「面白い地域のおっちゃんに会いたい!」という方もいらっしゃるので、そういったときはとことんサポートしていますね。
――現在、『osoto Hitoyoshi』では宿泊施設も作っているんですよね。(2021年9月現在)
はい。元々人吉は観光地なので、観光で来る方が多かったんですが、このコワーキングスペースができてからは「働く」をテーマに人吉に入ってくる人も増えたんです。
観光は一瞬ですが、仕事は地域の困りごとなどにもしっかりコミットされて、地域課題解決になったり、深いところまでつながっていける。
ただ、ホテルなどに泊まるのではコストがかかります。宿泊施設を作ることで、仕事で来た人をコスト面でもサポートできたらなと。ずっと考えていたのですが、ようやく形にできそうです。
『osoto Hitoyoshi』はほかのコワーキングオフィスにはない、たくさんの特徴があります。
――現在の利用者の方には、どんな職種や企業の方が多いですか?
企業よりは、個人会員の方のほうが多いです。なかには人吉に住まいを契約している方もいて、半分東京、半分人吉のように2拠点のような生活をしている方も結構いらっしゃいますね。
年齢層では40代以下の方が多くて、50代以上の方では「ゆっくりコーヒーを飲みながら本を読みたい」という地域の方がいらっしゃったりもします。
「人吉」って、漢字にしたら一本足すと「大吉」になるんですよ。人吉の地域内だけでは良くするのが難しいことでも、都会から関わってくださる一人ひとりの方が人吉をハッピーにしてくれる。だからぜひ積極的に関わってほしいなと思っています。
――『osoto Hitoyoshi』を「こんな目的のある人に使ってほしい」などの思いはありましたか?
もともとは地域の人に使ってほしいという想いがあったんですが、テレワークも浸透していなかったので、そこまで利用者は増えなかったんですね。
それがコロナになってから利用者がぐっと増えて。ここは今、月間300人くらい利用者の方がいるんですが、半分以上が地域外の方です。
あと水害が去年あったので、地域がゼロになった状態で、水害の復興という観点でこの地域に入っていただいた方も結構いらっしゃるんですね。
人吉は今課題だらけなので、その課題に対して「うちの会社のこれを使ったら絶対人吉を良くできますよ」という方々に入っていただけると、人吉もどんどん良くなっていけるんじゃないかと思っていますね。
――利用者の方をサポートするようなイベントなども開催されているのでしょうか?
最近はコロナの影響もありできていませんが、会員さん同士の交流会など、定期的にやっていましたね。
冬のおでん会だったり、セミナーの後に地域の飲食店にお願いしたケータリングを食べながら焼酎を飲んで、最後に外で焚き火会をやって終わるみたいな(笑)それで、温泉に入ってから帰るという人もいました。
キャンプをしたことがない人にキャンプを体験してもらったり。上司も部下も一緒になってタープを立て、テントを立て、ワイワイできるイベントです。球磨川でラフティングもできますよ。
あとは、我々が今始めようとしている取り組みの中に「ひとよしくま熱中小学校(※)」というものがありまして。2021年10月に開校するんですが、この取り組みが実はもう全国で19校動いています。
1回につき講師の方を2人お呼びして、ここを開場に、セミナーのような形式でお話をしてもらうというイベントです。オンラインでも参加できるので、地域外の方でも参加できます。
「地域だから学べない、地域内にいるとなかなかつながりが広がっていかない」というところがありますが、このような取り組みなど、新たな交流としての機能もどんどん作っていきたいなと思っています。
出典元:ひとよしくま熱中小学校
(※)ひとよしくま熱中小学校…全国で活躍する一流の起業家・経営者・大学教授らが“先生”となって授業を行う“学びたい大人の社会塾”。
高校生以上であれば誰でも参加可能で、2021年10月〜2022年3月の毎月第3土曜日に1回2授業(全12回)を展開。
――利用者の方はどんなきっかけで『osoto Hitoyoshi』を知るのでしょうか?
イベントを通して知る方もいらっしゃいます。また、InstagramやFacebookなど、SNSを意識しての発信もしています。
あとは、「キャンピングオフィスって面白い!」ということで雑誌やテレビの取材も増えていますね。
球磨川沿いという、自然に囲まれた環境で仕事ができる『osoto Hitoyoshi』には施設内の随所にこだわりがたくさん!
そんな“こだわり”が、時には利用者同士の交流のきっかけになることもあるようです。
――コワーキングスペースは施設によって異なる雰囲気がありますが、こちらの施設の利用者の方は普段どのような雰囲気でお仕事をされていますか?
皆さん、わりと和気あいあいした雰囲気でお仕事をされていますね。私が紹介してきっかけを作ったら、あとは利用者の方同士で交流されたり。
ちょっと外で(コワーキングスペースウッドデッキ)でランチミーティングしませんか?みたいな空気もあったりします。
あと、コーヒーが利用者の方同士の交流のきっかけのひとつになっていて。
ボタンで出るコーヒーはどこにでもあると思うんですけど、せっかくこういう空間なので、ハンドドリップコーヒーを用意しています。
コーヒーって(粉から淹れたことがない人は)作り方がわからないじゃないですか?それを常連さんが「こうやって作るんですよ」というところで交流が生まれたり。最初はこう、お湯を少し注いで、蒸らすんですよ。みたいな(笑)
そういうときは、私たちはあえて何もしないでおきますね(笑)
――ほかにも、利用者の方が快適に利用するためのこだわりや工夫などはありますか?
レイアウトを変えたり、スノーピークの家具を入れ替えたりして、ずっと利用している人でも飽きない工夫をしています。
あと、私たちとしては「源泉かけ流しの温泉付きコワーキングスペース」というのは最強のコンテンツだと思っているんですが、現在は(豪雨災害の影響により)利用できない状態です。温泉の再開については、利用者の方からの期待も大きいですね。
すぐには難しいですが、これから宿泊施設もできるので、利用者の方が快適に使えるように温泉の再開はぜひやっていきたいなと思っています。
コロナ対策についても、アルコール消毒や検温器、定期的な消毒、窓を開けて換気など、いろいろな対策を行っています。
ここからは、『osoto Hitoyoshi』利用の流れについてご紹介します。
――初期費用はかかりますか?
入会金なども特にないので、全くかからないです。平日の営業時間内であれば見学も受け入れていますし、ふらっと来て利用可能です。
(ドロップインであれば)いきなり500円で3時間使えます(笑)
――申込〜利用開始までどのくらいの時間がかかるのでしょうか?
利用手続きもA41枚の申込用紙に名前と必要な情報を書いていただけたら使えるという感じで、手間はかからないです。
会員になる場合は免許証などが必要ですが、ドロップイン利用であれば身分証明書も必要ありません。
ドロップイン会員の場合は白いカードをお渡しするので、それを見せていただいて料金を払うだけで利用できます。
個人会員や法人会員の場合は、黒いカードになります。オフィスそれぞれにカードをかざす部分がついているんですが、プランに応じて(黒いカードに書き込まれた情報が異なるため)利用できる場所が変わるという仕組みです。
出典元:https://www.osoto.work/
――ありがとうございます。最後に、コワーキングスペースを探している方に向けたPRなどをお願いします。
周辺環境は車だとコンビニは1、2分くらい行けますし、今被災してやっていないお店もありますが、人吉は飲食店もたくさんあります。
人吉は人口3万人しかいない小さい街なんですが、人口比率から見た飲食店舗数は九州で2番目に多いんです。
そこが今、人吉駅前で仮設コンテナで商店街みたいな形でずらっとお店を出しているので、そこに行けば30店舗くらいあるので、グルメにも困りません。
持ち込みも、ニオイが強いものでなければ仕事をしながら食事を摂ってもらっても全然大丈夫ですよ。
『osoto Hitoyoshi』ではゆったりしながら作業できますし、地域に根ざして活動したいとか、人とつながっていきたいとか、そういうところは私たちが得意としている部分でもあるんですね。
『osoto Hitoyoshi』を利用していただければ、そういうつながりを作ることもできます。
なので…ぜひ一度、来ていただきたいなと思っています(笑)
忙しくてなかなか旅行に出かける時間が取れない、リフレッシュしたいけどできない。そんなとき、「自然豊かな環境で仕事ができる場所」はすごく頼もしい存在です。
ワークとバケーションを組み合わせた「ワーケーション」という言葉がありますが、地域とのつながり、美味しいグルメ、広がる大自然、自慢の温泉…そしてキャンプ!
『osoto Hitoyoshi』やその周囲の環境はまるで、忙しい人のための理想郷のように感じました。
また、焚き火などのキャンプギアだったりコーヒーだったり、施設内のサービスや設備が「利用者同士の方がつながる仕掛け」になっているところがとても素敵な場所です。
人見知りの方や、話しかけるきっかけを見つけるのが苦手という方も、『osoto Hitoyoshi』であれば自然な形で交流のきっかけを見つけることができるのではないでしょうか。
『osoto Hitoyoshi』は、「自然に囲まれて仕事がしたい。でも、オフィスの快適さもほしい!」という方にぜひ足を運んでみてほしいコワーキングスペースです。
フロア内にはスノーピークのキャンプギアがいくつもレイアウトされているので、キャンプ好きの方はもちろん、キャンプをしたことのない人もワクワクするような空間になっています。
「地方進出や田舎暮らしがしたいけど、環境に馴染めるだろうか?」そんな心配をお持ちの方も、実際に自分の体で、その土地の空気や雰囲気を体感することで、新しい発見が見つかるはずです。
▼熊本県でコワーキングスペース・シェアオフィスをお探しの方はこちらの記事もおすすめです
熊本市のコワーキングスペース「未来会議室 下通店」はなぜワクワクする?魅力やこだわりに密着!
Thank You!!
ご応募いただき
ありがとうございます!
内容を確認の上、
担当者からご連絡させていただきます。