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2021.11.26

ワーケーションのwi-fiセキュリティを個人と施設のそれぞれのパターンで解説

コロナウイルスの流行によって、爆発的な感染を防ぐ目的のもと突如として企業に求められた”テレワーク”。インターネット環境を駆使して、会社に出社せずとも、自宅やカフェなど自由な場所での働き方へと変化してきました。

テレワークと同じように、ここ数年の間で耳にするようになったのが”ワーケーション”という言葉です。ワーケーションとは、仕事を意味する「Work(ワーク)」と休暇を意味する「Vacation(バケーション)」が合わさった言葉であり、観光地やリゾート地でテレワークを活用して、働きながら休暇をとる過ごし方のことを意味しています。

新たな働き方・時間の使い方として広まりつつあるワーケーションですが、自由な場所でのテレワーク環境の構築のために欠かせないのがwi-fiです。近年では個人の方がポケットwi-fiを所有していたり、観光施設などにwi-fiが備え付けられていたりすることが随分と多くなってきましたが、ここで注意したいのがwi-fi環境下でのセキュリティ問題です。

インターネット環境に手軽に接続できるようになるwi-fiですが、使い方や設定方法を誤ると、情報漏洩など、思わぬところでトラブルを招いてしまうことにもなりかねません。

そこで、今回の記事では、そんなwi-fiセキュリティに関して、個人が所有するポケットwi-fiと施設に設置されるwi-fiのセキュリティに関してご説明していこうと思います。ぜひ最後までご覧になってください。

Wi-fiの基礎知識

ワーケーション wi-fi セキュリティ

まずはじめに、ワーケーションに欠かせないwi-fiに関して簡単に確認していきたいと思います。

Wi-fiとは、LANケーブルを用いずに、無線でパソコンやスマホといった端末をインターネットに接続する技術のことを表しています。

このように便利なwi-fiですが、セキュリティ対策を怠ってしまうと以下のような被害に遭ってしまう恐れもあります。

  • IDやパスワードを盗まれる
  • 企業の機密情報を盗まれる
  • 迷惑メールが送られてくる
  • SNSアカウントを乗っ取られる
  • 第三者がSNS上で本人に成りすまし、誹謗中傷の投稿や、知人等に迷惑行為を行う

上記の被害に遭わないためにも、個人の方はポケットwi-fi購入の際や、使用の際に自身がどのような通信設定にしているかを確認・理解し適切な設定を行うことが必要であり、wi-fiサービスを提供する施設などはwi-fi導入にあたって“誰でも”・“自由に”利用できるのではなく、一定の制限を設けるなどして利用者が安全で使いやすいと感じる通信環境を提供することが重要となります。

ポケットwi-fiの選び方・セキュリティ対策

ワーケーション wi-fi セキュリティ

Wi-fiの概要、セキュリティ対策を怠った場合のトラブルに関してご理解いただいたところで、まずは個人の方が利用されるポケットwi-fiに関して、ワーケーションに活用するための適切なポケットwi-fiの選び方やセキュリティ対策に関してご説明していこうと思います。

ポケットwi-fiの選び方の基準4選

ワーケーション用としてのポケットwi-fiを選ぶ際に熟慮してもらいたい基準が以下の4つです。

  • セキュリティ対策
  • 通信速度
  • データ容量
  • 通信可能エリアの広さ

それぞれに関して詳しく見ていきましょう

セキュリティ対策

テレワークやワーケーションの環境下では、本来は会社の中でしか閲覧できない重要資料を会社の外部で見ることもあると思いますし、時には会社から持ち出して利用しなければいけないこともあるかと思います。

もし暗号化セキュリティ対策のできていないネット回線やホテル・宿泊施設で不特定多数の人が利用するフリーwi-fiに接続し、作業を行ってしまうと、覗き見されるだけでなく、閲覧した情報を悪用されてしまう可能性も考えられます。

最悪な事態を回避するためにも、ポケットwi-fiを選ぶ際には第1優先に高度な暗号化セキュリティをクリアした規格(※)の機種を選ぶことをお勧めいたします。

近年ではテレワーク・ワーケーションを実施する企業の急増に伴って、テレワークに関するガイドラインが各省庁から発行されており、どれもテレワークを導入・活用する際に大切な事項が丁寧にまとめられていますので、お時間の許す際には以下をクリックして、ご覧になって頂ければと思います。

※2021年の10月現在、wi-fiの暗号化と認証方式は大きく分けて、WEP方式、TKIP方式、AES方式の3つに区分することができます。これらの暗号化方式の中でも、可能な限り、AES方式、もしくはWEP2方式(WEP方式の中でも新たな規格)の暗号化規格が採用されたwi-fiを選んでいただければ、セキュリティ面での安全性は向上するといえます。

通信速度

テレワークやワーケーションの環境下では、ZOOMやSkypeを用いたWeb会議が新たな会議方法として主流なものとなります。このような状況下で不安定・速度が不十分な回線を利用していると、データの送受信に必要以上の時間を要し、仕事全体のパフォーマンスが低下してしまうことになります。

普段通りの能力を発揮できない環境に置かれることで、仕事としてのパフォーマンスだけでなく、本人の仕事へのモチベーションや能力の低下を招く可能性もあります。更に、オンライン会議がスムーズに進まなかった原因がご自身の通信環境にあるとなると、その点に関しての準備を怠っていたとして、他の方からの評価を落としてしまうことにもなりかねません。

これまでと同様の仕事環境を実現するためには、通信速度が欠かせませんので十分に検討する必要があるといえます。加えて、テレワークやワーケーションの環境下では、場合によっては仕事をしている場所・建物の状況、基地局との距離などの関係で通信速度が不安定になってしまうことも多々あります。そのため、通信速度だけでなく、通信速度の安定性にも注意を払ってポケットwi-fiを選んでもらえればと思います。

データ容量

ポケットwi-fiの利用プランには、データ容量に応じた料金設定が行われています。大きく分けると、①月間でのデータ容量に制限があり料金は安めのプランと、②月間でのデータ容量が無制限に設定されており料金が高めのプランの2種に区分されます。

データのやりとりを行うだけであれば大したデータ利用ではないかも知れませんが、一般的な企業を例にとっても週に1回は会議(Web会議)を行うことになるのではないでしょうか?

このようなZoom、Skypeを用いたオンライン会議では画質設定等にもよりますが、思いの外、通信量が大きく消費されてしまいますので、若干の費用増加があったとしても月間無制限プランを選択された方が、テレワーク・ワーケーション中のトラブル等は防げるかと思います。

通信可能エリアの広さ

ワーケーションはその言葉のとおり、「Vacation(バケーション)」の意味も持っているため、働く環境は多種多様であり、かつ、広範囲に亘るといえます。

近年ではポケットwi-fiサービスを提供している各社がアンテナ基地局を拡大させており、そのほとんどが日本全国の全域をカバーしており通信が困難となるエリアは減りつつありますが、可能な限り通信可能エリアが広範囲なポケットwi-fi(通信回線)を選んでいた方が快適な利用がしやすいといえます。

施設へのwi-fiサービス導入の際のセキュリティ対策

ワーケーション wi-fi セキュリティ

テレワークやワーケーションを行う方々がポケットwi-fiを利用し、セキュリティ対策を講じていることも多いですが、このような環境を提供しようとwi-fiサービスの導入を検討されている施設関係者の方もまた多いのではないでしょうか?

ここでは、ホテルや旅館、公共施設などの施設へとwi-fiサービスを導入・提供する際に、wi-fi利用者がトラブルに見舞われないために施設側が実施できるセキュリティ対策に関してご説明していこうと思います。

Wi-fiサービス提供のセキュリティ対策4選

こちらもポケットwi-fiと同様に、wi-fiサービスを導入・提供する際に大切なセキュリティ対策を以下の4つに分けて紹介します。

  • Wi-fiの利用者同士での通信を行えないようにする
  • 複雑なID・パスワードを設定する
  • セキュリティの強いwi-fiを選ぶ
  • 不要な個人情報を取得しない

それぞれに関して詳しく見ていきましょう。

Wi-fi利用者同士での通信を行えないようにする

施設としてwi-fiサービスを提供するとなると、その利用者は多岐に亘ります。一例としての旅館を考えてみると、宿泊者はもちろん、休憩に立ち寄った方、取引のある業者、従業員など、さまざまな方が利用する可能性があります。

Wi-fiを介して、無断で他の利用者の端末にアクセスが出来てしまう状態にあると、ID・パスワードなどの個人情報が乱用されてしまう恐れがあります。Wi-fiルーターには、ネットワーク分離機能やプライバシーセパレータ機能といった、利用者同士がお互いに通信できないようにするための機能設定も備わっていますので、wi-fi導入の際には必ずこの設定を行うようにしましょう。

複雑なID・パスワードを設定する

施設でwi-fiサービスを提供しようと考える際に、無意味やたらに“誰でも”利用可能なサービス提供を考えることは稀ではないでしょうか?むしろ、wi-fiを悪用しようとする人の可能性を排除するためにも、誰を利用者とするのかは検討した方が正しい選択であるといえます。

また、管理するwi-fiのID・パスワードも複雑に設定したり、定期的な変更を行ったりすることでwi-fiサービスの乱用を防止することができます。

強固なパスワードとしての例としては、「できるだけ文字数を多くする」「英数字・記号を組み合わせる」「大文字と小文字のどちらも使う」などが挙げられます。安易に「生年月日」「施設の名称」「責任者の氏名」などの連想しやすいパスワード設定は行わないようにしましょう。

セキュリティの強いwi-fiを選ぶ

インターネットを介してスマホやパソコンの間を行き来しているデータは“暗号化”されることで、第三者からの傍受や閲覧を防止しています。仮にデータを見られてしまったとしても、暗号化しておくことで簡単に内容が分からないようになります。

ポケットwi-fiの説明の際に触れたように、暗号化には規格があり、ポケットwi-fiと同様にAES方式、またはWPA(WPA2)方式を採用したwi-fiを選択することが望ましいといえます。

不要な個人情報を取得しない

フリーwi-fiに見られることが多いのですが、wi-fiを利用する(wi-fiへ接続する)際に、利用者の氏名やメールアドレス、SNSのアカウントなどを取得してサービスを提供することがあります。

しかしながら、これらの情報は個人情報にあたるため、プライバシー保護のために適切な情報管理を行う必要があります。個人情報のやり取りは、情報漏洩などの余計なリスクを生むことにもなりますので、不被都央に個人情報を取得するようなwi-fi設定は避けることが望ましいです。

まとめ

ワーケーション wi-fi セキュリティ

ここまでワーケーションのためのwi-fiセキュリティに関して、個人の方向けにポケットwi-fiの選び方、施設関係者の方向けにwi-fiサービス導入の際のセキュリティ対策として話を進めてきましたがいかがだったでしょうか?

これからは益々テレワーク・ワーケーションが一般的な働き方・時間の過ごし方として定着していくと思いますが、そのような社会になっていくにつれて、働く人すべてが企業情報の扱い方に関してリテラシーを身に付けていくことが求められるようになっていきます。

wi-fiをはじめとしたテレワーク・ワーケーションのためのサービスは今後、更に発展していくかと思いますが、単に利用するのではなく、企業情報を守るためにも、利用しようとしているサービスがどのようなセキュリティ対策を講じているのかなどにも目を向けていかれるようになってもらえますと嬉しく思います。

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