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2021.03.03

ワーケーションの導入事例とコロナ禍で注目される理由を徹底解説

ワーケーションの導入事例とコロナ禍で注目される理由を徹底解説

2020年4月頃から日本国内でも緊急事態宣言が発令されるなど、本格的に大きな災禍となった新型コロナウイルスの感染拡大ですが、その頃から注目され始めたのが新しい働き方であるワーケーションです。

ワーケーションとは、仕事と休暇を組み合わせた造語で、休暇中に旅先などで仕事をすることで、2000年頃からアメリカなどを中心に広まりつつあるスタイルです。

当初はフリーランスの仕事など比較的自由に働く時間を設定することができる職種で注目を集めていましたが、コロナ禍の政府の発言や働き方改革を推進する企業が取り入れるなど、日本でも改めて注目を集めることとなりました。

そもそも日本の有給取得率は先進国30カ国の中でも最下位を記録しており、過酷な労働環境による労働生産性の低さも問題視されています。

日本では、アメリカなど諸外国のように長期休暇を取得してゆっくりとリフレッシュするという休み方をすること自体が難しいうえ、休暇の質も悪く結果として生産性も上がらないといわれています。

そんな中、休めない、休みにくいことを逆手にとり、思い切って仕事と休暇を合体させたワーケーションという働き方が日本でも取り入れられることとなったのです。

日本では、コロナ禍によってリモートワークの急速な普及と同時に働くことへの価値観の変化が訪れたのですが、実は数年前からこのワーケーションという働き方は一部の企業や自治体では取り入れられていました。

そこで本記事では、ワーケーションが注目される理由とワーケーションの導入事例、そしてワーケーションのタイプをご紹介します。

ワーケーションが注目される理由

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新型コロナウイルス感染症の影響で新しい生活様式が求められるようになった現在、再注目されているワーケーションですが、新しい働き方として政府が改めて推奨し、大手ホテルなどでもワーケーションを前提とした宿泊プランを設けるなど、積極的な取り組みがなされています。

ここでは、ワーケーションが注目される理由を2つご紹介します。

地方のホテルや旅行会社などの活性化

ワーケーションが注目される1つ目の理由は、ワーケーションがコロナ禍で需要が落ち込んでいるホテルや旅行会社などの活性化に繋がるという点です。

働き方改革の推進によって取り組みが始まったワーケーションですが、コロナ禍によるリモートワークの拡大により再注目されることとなりました。

2020年の宿泊業の倒産は、前年比57.3%増の118件にのぼり、2013年以来7年ぶりの100件台を記録しました。このうち、新型コロナウイルス感染拡大を要因とした倒産は55件と全体の約半数を占めています。

団体旅行を含む国内の旅行者が減少したことにより、業績が低迷していた宿泊業者がインバウンド需要による業績回復に期待を寄せていましたが、コロナ禍で需要が消失してしまったために先の見通しが立たず事業の継続を断念したことなどが原因ではないかとみられています。

そんな中、2020年7月に行われた観光戦略実行推進会議では、菅義偉官房長官(当時)がワーケーションを推進する方針を示しており、今後実施する企業が増えていくと予想されます。

これにより、地方のホテルや旅行会社などの活性化に繋がると期待されています。

コロナ禍での仕事と旅行の両立

ワーケーションが注目される2つ目の理由は、感染症対策をしながら旅行と仕事を両立したいというニーズが高まっていることです。

企業側としては、リモートワークを継続しながら社員の満足度を高めることができる働き方を模索していますが、それと同時に社員側の外出が制限される中、3密を避けて旅行したいというニーズも高まりをみせています。

このような状況下で、ワーケーションは社員と企業の両方の期待に応えることができる働き方であると期待されているのです。

ただ、ワーケーションはライフワークバランスの改善によるモチベーションの向上や採用活動において自社を差別化するポイントになるなど、メリットもたくさんありますが、注意すべき点もあります。以下がワーケーションで注意すべき点です。

  • 仕事とプライベートのオンとオフの切り替えが難しい
  • 労働時間の把握が困難
  • コミュニケーション上の問題
  • 旅先でのセキュリティ対策が必要

ワーケーションは旅先で仕事をするというこれまでにない働き方ですが、導入する際には企業側も社員側も上記のような点に注意しなければいけません。

休暇に仕事を持ち込むというスタイルであるワーケーションでは、社員側には仕事で休暇の時間が予定以上に削られるというリスクや、対面での仕事と比べてコミュニケーション上でミスや非効率な自体が発生しやすいなどの問題があります。

一方、企業側には社員がいつどのように働いているかを見て確認することができないため、就業時間を把握することが困難になる、パソコンなどの機器を中心としたセキュリティ対策が必須になるなどの問題があります。

ワーケーション導入事例

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最近では、ワーケーションの導入を検討している企業も増えてきていますが、いざ取り入れるとなるとなかなか難しいのが現状です。

しかし、人生100年時代においては、どんな企業も社員にとってはキャリアの通過点にすぎません。その中で働く側にとって良い企業とは、やはり働きやすい環境であることではないでしょうか。

ワーケーションはそんな新時代に取り入れるべき働き方であるといえますが、実際にワーケーションを行っている事例にはどのようなものがあるのでしょうか。

ここでは、ワーケーション導入事例を日本と海外、日本人が海外でワーケーションを行ったケースに分けてご紹介します。

日本の事例

まずは日本の事例からご紹介していきます。

ワーケーション導入のパイオニア「日本航空株式会社」

日本航空株式会社(JAL)がワーケーションを導入したのは2017年の夏です。社員の休暇取得を促進するために始まり、和歌山県白浜町や鹿児島県徳之島などでの地域創生と絡めたプログラムなどで話題を集めました。

そのほかにも、国内の温泉地や海外のリゾート地など、ワーケーションを行う場所についても検証を重ね、従業員にとって魅力的な環境の整備や自社でもワーケーションに対応したツアーのプラン展開を行っています。

熊本県

熊本県阿蘇市では、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響を受け、旅行形態の新しい形として普及したリモートワークによって注目されている、ワーケーションなどの受け入れ環境整備に取り組む宿泊施設への補助を行っています。詳しい情報は阿蘇市公式ホームページに掲載されているので、気になる事業者の方はこちらをご覧ください。

このような取り組みから、ワーケーション用のプランなどを設けている宿泊施設もたくさんあるので、自然豊かな地域でのワーケーションを検討している方にもおすすめです。

海外の事例

海外では、コロナ禍における新しい働き方を背景に、さまざまな国や地域のワーケーション関連のビザを発行し、ワーケーション市場の獲得に乗り出しています。

Uber

カーシェアリングサービスを行うUberでは、課題解決型プロジェクトをプロジェクトメンバーが旅先で行うという形で行われています。

通常は一緒に働くことのない社員で少人数のチームを作り、どこかへ旅に出かけ、課題に対してUberのビジネスにインパクトを与えるような答えを探すことを目的として取り組みます。

このワーケーションは公募制で行われ、記録的な数の参加希望者が集まりました。ワーケーションの成果が翌年の事業に実際に反映されるということに、社員は意欲を感じることでしょう。

ハワイ

ハワイでは、有能な技術をもつサーフィンのプロをハワイに誘致するため、本業でリモートワークをしつつ、非営利団体への活動などを通して地域貢献をしてもらうプログラムを実施しています。

特典としてオアフ島までの無料航空券の供与や宿泊、コワーキングスペースの割引などを提供しています。

日本人が海外でワーケーションを行った事例

ワーケーションを行う場所は国内だけとは限りません。日本人でも海外に目を向けてワーケーション先を選んでいる方もいます。

インドネシアのバリ島で1ヶ月間ワーケーション

バリ島では、参加者全員が海外から訪れているハウスパーティーなどが開催されているため、ひとりきりの長期のワーケーションでも楽しむことができます。

宿泊施設はコワーキングスペースやプール、ジムまで併設しているマンスリーマンションのようなところで、24時間いつでも仕事ができます。

ワーケーションタイプ紹介

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ワーケーションは仕事と休暇を両立することができる働き方ですが、企業に勤める個人が主体となって実践するタイプがある一方、企業が主体となって行われるタイプもあります。

現在、日本の企業で導入されているワーケーションは、大きく分けて2つのタイプに分けることができます。

ここでは、その2つのタイプをそれぞれご紹介します。

休暇型

企業に勤めている個人が主体となって行うのが休暇型ワーケーションです。個人で行き先を決め、旅費も自分で負担します。会社が旅先でも仕事として認める業務を行い、突然の仕事が発生した場合でも、旅行を中断せずに休暇先にて最低限の対応をするワーケーションの行い方です。

特徴

  • 休暇が主体
  • 個人が主体
  • 旅費は自己負担
  • 行き先は自分で決める

休暇型ワーケーションの目的は、リフレッシュや自分磨き、家族旅行、帰省、療養などです。最近では共働きの夫婦も多いので、夫婦揃ってワーケーションを利用し、子どもの夏休みに合わせて避暑地に長期滞在するなど、家族の時間を増やすこともできそうです。

旅行先ではweb会議に参加するなど、仕事として認められるような業務を行いながら旅を楽しみます。

仕事型

企業が主体となって行うのが仕事型ワーケーションです。このワーケーションは仕事がメインで、出張や研修、または通常業務を地方のサテライトオフィスなどで実施しつつ、終業後や週末に休暇を楽しむというタイプです。

仕事がメインですので、行き先は会社が決定するため出張と同じ扱いとなり、基本的には旅費や滞在費の全額または一部を会社が負担することになります。

特徴

  • 仕事が主体
  • 会社が主体
  • 旅費は会社が全額または一部負担
  • 行き先は会社が決める

仕事型ワーケーションの目的は、出張や研修を兼ねて社員のメンタルヘルスケアを行うことです。働きながら地方創生にも貢献できるほか、会社の福利厚生を兼ねているという面もあります。

全国の自治体でも、ワーケーションを実施するなら我が町へ、と企業を誘致する動きも盛んになってきているので、空き家を改造してサテライトオフィスを作ったり、専用の宿泊先を設けたりするなど、地方に長期的に滞在しながら働ける環境の整備が進んでいます。

例としては、熊本県八代市芦北町と立地協定を締結したFun Tech株式会社(本社:東京都世田谷区)は、芦北町内の旧計石小学校に熊本オフィスを開設。芦北町の地域活性化と雇用機会の創出に貢献しています。

また、ビジネス連携包括協定を結んでいる株式会社MARUKUと、先に芦北町と立地協定を結び、今回の進出を橋渡しした株式会社WEB TATEは、熊本県の南部を中心にICTビジネスの集積地帯にする取り組みを行うなど、自治体でも積極的に企業を誘致しようという試みが行われています。

まとめ

ワーケーションが注目される理由とワーケーションの導入事例、そしてワーケーションのタイプをご紹介しました。

ワーケーションは社員だけではなく企業や組織、そして地域にもメリットがある新しい働き方ですが、その反面で休日との区別やセキュリティ面などから賛否両論があるのが実情です。

しかし、上手に実施することで実績を出し、ワーケーションと成果がマッチした事例もあります。

現在、家事や育児、介護との両立の難しさや、副業などが認められないという理由から会社を辞め、フリーランスへの転身を検討したりする方も存在します。これは企業にとっては優秀な人材を逃してしまうことにもなりかねません。

そこで、企業はワーケーションを導入することでこれまでにはなかったライフプランを提案することが重要となってきます。

社員側も、普段の忙しさや慌ただしさを忘れてのんびりと過ごすことで、新たなアイデアが思いつくかもしれません。

ワーケーションが気になるという方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。

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