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特集記事 2023.02.21
特集記事
2021.11.23
近年、新たな働き方として急速に普及を遂げた”テレワーク”。従来の”職場で働く”というワークスタイルが、これまでに発展を遂げた情報通信技術を駆使して、”職場以外の場所で働く”ワークスタイルへと変化しました。
日本ではコロナウイルスの流行と蔓延防止策の発令を機に広く知れ渡るようになりましたが、欧米諸国やIT系企業を中心に従来から存在していた働き方でもあるのです。
テレワークの普及にあたっては、これまで企業内で扱っていた機密情報を企業外で扱う機会が増えたり、情報通信を通じて企業内メンバーや取引相手に情報共有をする機会が増えたりしたため、セキュリティの面での安全性を確保することも求められていました。
そして、セキュリティを担保するための方法のひとつとして存在するのが、今回ご紹介するVPNです。テレワークを支える形で活用されているVPNですが、仕事をしていると通信速度が遅くなり、業務に支障をきたした経験があるという方もいらっしゃるのではないでしょうか?
この記事では、テレワーク環境におけるVPN通信が遅くなってしまう原因と、通信速度を速めるための解決法をご説明していこうと思います。ぜひ最後までご覧になってください。
テレワーク環境において通信速度の低下を起こすことのあるVPNですが、まずはじめに、このVPNがどのようなシステムであるのか、どのようにしてテレワークのセキュリティに寄与しているのかを確認しておきましょう。
VPNとは、通信事業者が利用している公衆回線を経由して構築された仮想的な組織内ネットワークのことであり、このようなネットワークを構築できる通信サービスのことも意味しています。
企業が複数の地点にあるようなケースで、企業内ネットワークの拠点間接続を行うために用いられており、遠隔地との通信が自社ネットワーク内部で行っている通信と同じように実現されるサービス・システムとなっています。
このようなVPNがテレワークでどのように活かされているのかは以下の通りです。
それぞれに関して詳しく見ていきましょう。
VPNを通じて接続すると、自宅やサテライトオフィスで使用している端末・機器からも社内のデータやファイルにアクセスできるようになります。
これを利用すれば、在宅勤務やテレワーク、ワーケーションなど、職場以外の場所で働いている従業員の方でも、オフィスにいるときと同様の作業システム空間を構築できるようになるのです。
コロナウイルスに代表されるような有事・出張の際にも、普段と変わりなく効率的に作業できる空間を提供されることがVPNの大きなメリットであるといえます。
VPNでは通信データが暗号化されているため、通常のネットワークを利用するよりも安全性が高いという特徴を有しています。コロナウイルスの蔓延によって急速なテレワーク導入に迫られた企業は非常に多く、これに合わせて社外から企業内ネットワークにアクセスする機会も急激に増えたことかと思います。
これによって、機密情報が企業内だけでなく情報通信を通じて企業外でも扱うことが多くなったため、企業はこれまでにも増してセキュリティが確立された状態を整えなければならなくなり、VPNに対するニーズが高まっているのです。
VPNが普及する以前の拠点間同士の通信は専用線を使って物理的に行われていました。VPNであれば、ルーターを用意すれば複数拠点のネットワークをスムーズに構築してくれるので、拠点間の情報共有・情報交換が容易に行えるようになります。
ここではVPN接続が遅くなる原因について述べていきたいと思います。テレワークが随分と普及した現在では、情報通信というものがテレワークを導入している企業や、そこに勤める従業員にとって必要不可欠なものとなりつつあります。
通信が遅いことによって業務に支障をきたすことになり、業務成績の悪化や企業の信頼を低下させることにもなりかねませんので、ここでそのような状態を生みだしてしまう原因を確認しておきましょう。
テレワーク環境においてVPN通信・接続が遅くなる原因には以下のものが挙げられます。
それぞれに関して確認していきましょう。
通信・接続が遅くなっている原因のひとつには、インターネット回線の帯域がそもそも足りていない可能性が挙げられます。
テレワークの普及が広がる以前から人々はクラウドサービスを利用しており、ネットワークに頻繁にアクセスし各種のデータ管理・保管を行っていました。従業員それぞれがクラウドサービスを使うことによって回線を占めるトラフィックが増え、既存の帯域ではスムーズな通信が困難になっている可能性があります。
VPNのサーバーには、同時に接続できる容量に上限が設けられています。このキャパを超えてしまうような接続状態にあると、当然、通信速度も遅くなってしまいます。
安全なセキュリティを確立するために用いられているVPNの暗号化システムですが、これは同時にサーバーに大きな負荷を掛けてもいます。特に、暗号化のレベルが高ければ高いとなると、それに合わせるようにサーバーに掛かる負荷も大きくなることを理解しておきましょう。
MTUとは、1度の通信で転送できるデータ容量の最大値のことを表しています。VPNに接続するためのルーターと各種の端末・機器には、それぞれにMTUの数値が設定されています。
しかしながら、これらMTUの最大値が合っていない(調整不備である)と、データの分割によって通常よりも転送に時間が掛かるようになってしまいます。そして、これがVPN接続・通信の遅さを招くのです。
これはWindows10に限ったものではなく、端末・機器のアップデート全般にあてはまるものであり、アップデートを行う際にはダウンロードするためのファイルが多量にあるため、容量も非常に大きくなります。
通信容量が大きいとそれだけネットワークに負荷を掛けるようになり、これがオフィス全体のパソコンといったように、アップデートを複数一斉に行ってしまうとトラフィックが占領され、全体の通信速度の低下を招いてしまうことがあります。
VPN接続が遅くなる原因が明らかになった次は、これらの問題を解決し、VPN接続を速くする方法を確認していきましょう。
テレワーク環境において、VPN接続の高速化は業務にも影響を与えることになりますので、接続に遅さを感じている方はぜひ以下に挙げている方法を実践していただければと思います。
それぞれを詳しく確認していきましょう。
VPN接続は理論としてインターネット上に専用の仮想インターネットを構築するものであるため、通常のインターネット接続よりもより多くのコンピュータリソースが必要になるといわれています。
デバイスを長時間使用していると一時ファイルなどが蓄積していき、動作が不安定になることがあります。根本的な解決法とはいえないかも知れませんが、一時的に・手頃に行える方法ですので、「遅くなっているかも?」と感じた際にはぜひ試されてみて下さい。
ネットワーク接続を行うソフトウェアの同時起動数が多いほど帯域の占有率は高くなり、各ソフトウェアへのレスポンスが遅くなります。
先に触れたアップデートプログラムなどは大容量のデータ通信を行う代表格であり、これが帯域の大部分を占めることとなり、業務に関係のある通信に支障をきたすことにもなりかねません。
業務に関係のないデータの送受信などを業務時間内に行わないことによって、VPN接続の安定化を図ることができます。
先に説明したように、VPNのサーバーにはデータ通信の上限が定められています。そして、テレワークを導入した当初は従業員の一部をテレワーカーとして稼働させてみるという企業も多く、後にテレワーク体制が築かれていくとVPNサーバーのリソースが足りなくなるというケースはよくあることです。
快適なテレワーク環境を築くためには、テレワーカーの人数に応じてどれくらいのVPN接続の容量が必要なのかを把握し、サーバーの増設を通じて負荷分散を行うことが大切となります。
VPNの接続・通信にはさまざまな方法があり、インターネットを経由するタイプや、通信事業者が構築した閉域網を経由するタイプもあります。公衆回線を利用するVPNは同時接続するが多くなりやすい特徴があり、これによって接続も不安定になりがちです。加えて、セキュリティ対策が講じにくいことにも留意しなければいけません。
VPN接続・通信サービスを提供している通信事業者は多様であり、ターゲットに応じて接続・通信のタイプもさまざまです。そのため、テレワークに適したサービスを選択することが重要となるといえます。
ここまで、VPNとテレワークの関係性として、VPNがテレワークにおける情報通信のセキュリティを確立していること、テレワーク環境におけるVPN接続・通信が遅くなる原因、これを解決するための対処法に関してご説明してきましたが、いかがだったでしょうか?
テレワークにおける社内と社外をつなぐ情報通信の要ともいえるVPNシステムですが、適切な環境を構築しなければ、かえって業務を低下させる結果になってしまうことだってあります。
今回ご紹介した方法をきちんと理解していただき、ご自身の企業のVPNを利用した通信環境がどのような状態にあるのかをご確認いただければと思います。
この記事が多くの企業における快適なテレワーク環境の構築・導入にお力添えできるものとなれば幸いです。
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