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2021.11.22

テレワーク導入のメリットと導入に向けた取り組み方とは?企業事例を交えて紹介

コロナウイルスの流行をひとつの契機に、大手企業・IT系企業を中心に急速な普及をみせた”テレワーク”。

蔓延防止を目的に日本政府が在宅勤務制度を推奨したことを理由に広がった働き方ですが、欧米諸国などでは既に実践されていた働き方であり、日本はやや後追いをする形となりました。

しかしながら、”職場に縛られない”働き方は現代の情報通信技術を駆使すれば以前から実現可能なものとして確立されつつあり、そのような社会情勢に対して前向きに制度・体制の改革を行っていなかった日本企業にとっては、コロナウイルスが新たな働き方へと改革するための、良いきっかけになったともいえます。

そして、テレワークは決してコロナウイルスの蔓延防止のために活かされるだけでなく、テレワーク体制を導入する企業、そこで仕事を行う従業員、テレワーク環境を整備する地域の自治体(日本社会)の3者にとって魅力ある(※)ものとなっており、大きな潮流が生まれつつあります。

今回は、そんなテレワーク制度を企業導入するにあたって、テレワークが注目される理由と、各企業を参考にしてテレワーク導入・実践の具体例をご説明していこうと思います。ぜひ最後までご覧になってください。

※地域の自治体の場合にはテレワークの中でも、特に、サテライトオフィスやワーケーションといった働き方において恩恵が受けられます。

テレワークに注目が集まる理由

テレワーク 取り組み 企業

冒頭でも触れさせていただきましたが、テレワークは決してコロナウイルスの蔓延防止に対して効果を発揮するだけでなく、企業・従業員・地域の自治体(日本社会)の3者にとって魅力あるものとなっています。

このような背景からテレワークに対して大きな注目が集まっているわけですが、具体的にはどのような利点があるのでしょうか?3者のメリットとしては主に以下のものが挙げられます。

◆テレワーク制度を導入する企業側のメリット

  • 自由な働き方を従業員に提供できるようになり、福利厚生が手厚くなるとともに退職率の低下に寄与する
  • 従業員の有休休暇取得率が向上するとともに、休暇シーズンのみに休暇申請が集中してしまう状態を是正できる
  • 新たな働き方に対する寛容性を外部にアピールすることができ、新たな人材獲得を行いやすくなる
  • テレワークという新たな働き方へと改革した経験が、今後再び起こり得る働き方改革を求められたときの糧となる

◆テレワーク体制が築かれた企業に勤める従業員側のメリット

  • 会社へ出社するための時間が削減されるため、時間の使い方の幅が広がる
  • 休暇地で働く(ワーケーション)という選択をとることもでき、仕事と休暇が両立できるため、有休休暇の取得申請における精神的な負担が軽減される
  • 働く場所を自由に選択できるため、業務の合間の気分転換を図りやすい

◆テレワーク環境を提供する地域の自治体側のメリット

  • サテライトオフィス・ワーケーションなどを活用することで、地域を知ってもらうことができるとともに、地域と関わる人々が増加する
  • テレワーカーが地域内にて消費活動を行うことで、地域の商業等を中心に地域経済が活性化する

テレワーク体制を導入している企業の取り組み事例

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テレワークの利点をご理解いただいたところで、実際にテレワーク体制を企業導入してる各種企業の取り組み事例を見ていこうと思います。

今回ご紹介する事例企業は、総務省が選抜した”テレワーク先駆者百選”と、厚生労働省が選抜した”輝くテレワーク賞受賞企業”から抜粋したものとなっています。この中では説明するには足りないほどの企業がノミネートされていますので、お時間の許す際には、ぜひそれぞれのサイトをご覧になっていただければと思います。

味の素株式会社

まずはじめにご紹介するのは、「Eat Well, Live Well」でお馴染みの”味の素”です。味の素ではコロナウイルスが流行する以前からテレワーク制度を導入しており、2018年3月時点で、総従業員数3,464人のうち、テレワークを利用した従業員が2,922人に上るほど、積極的なテレワーク業務を行っています。

企業内における実際のテレワークシステムとしては、「どこでもオフィス」という名称で、自宅やサテライトオフィス、セキュリティが確保され集中して勤務を行える場所であれば、どこでも勤務可能としたテレワーク制度が導入されています。2018年時点で、生産オペレーターを含む全社員の84%がテレワークを活用していたということもあり、テレワークに対する経験が豊富に積まれているといえます。

「どこでもオフィス」の導入にあたっては、「顔を合わせないと仕事ができないという既成概念を打破する」という目標を掲げ、ルール策定(既存業務規程の緩和)・基盤整備・風土醸成の3つの指針を三位一体で行っていき、現在のテレワーク体制を築いたようです。

それぞれの指針の具体的な内容は以下のようにまとめられています。

◆ルール策定(既存業務規程の緩和)

  • 週1の出社以外は利用制限なし
  • 申請は前日まで、テレワークの終了報告不要
  • 業務内容・業務場所は問わない
  • 育児・介護と併用可能

◆基盤整備

  • 軽量PCの全社導入
  • 社宅のサテライトオフィス化
  • 社外のサテライトオフィス契約
  • モバイル勤務履歴(VPN)の開示

◆風土醸成

  • 管理職は週1回「どこでもオフィス」を利用
  • テレワークデーの本社実施
  • サテライトオフィス利用料は全社負担(部門負担なし)

カルビー株式会社

ふたつめに紹介するのは、「掘りだそう、自然の力。」でポテトチップスを中心に広く知られているカルビー株式会社です。カルビーがテレワーク体制を築くまでの歴史は比較的長く、2007年の本社の一部部門にフリーアドレスを導入したことがきっかけです。

これを契機に2010年に、本社オフィスの移転と本社全社のフリーアドレスの導入が行われ、このタイミングで上司・部下がお互いに目の前にいない働き方の定着が図られていました。

その後、2011年に営業職の直行直帰スタイルが定着するとともに、モバイルワークが進展し、2013年の在宅勤務のテスト導入を経て、2014年4月に在宅勤務を全社に正式導入するという歴史を歩んでいます。

カルビー自身の在るべき姿として「付加価値の高いモノを開発し、供給できる会社」であると位置づけ、これを実現するためには個人の成長が必須であるという認識のもと、ワークライフバランスと業務成果に応じた結果主義を導入することが,これまでのテレワークの歴史を紡いできた根本にあったといえます。

また、カルビーも味の素同様に在宅勤務を行うにあたっては上司の方が積極的に利用し、テレワークの土壌を築いていたことが大きな特徴であるといえますし、また、会社トップが「効率的に働くこと」「Office is the most dangerous place」「現場に出ろ」といった”会社に在籍することを良しとしない”風土を定着させていったことも、テレワークの導入に効果的に働いたといえます。

サントリーホールディングス株式会社

次に紹介するのは飲料製品を中心に広く知られている、サントリーホールディングス株式会社です。サントリーのテレワーク体制の導入も非常に早期であり、2007年の2月の試行導入を経た後、その年の9月には育児や介護に関わる社員を対象にしたテレワーク体制の本格導入が行われました。

そして、この翌年2008年10月には、育児や介護などの従業員の自由を問わない形でのテレワーク体制へと制度の拡大が行われています。そして、2010年には更に新たな在宅勤務制度を試行導入しており、フレックス制度や在宅勤務制度の改訂が行われ、10分単位での在宅勤務が実現されるに至っています。

サントリーでは「ワークスタイル革新・S流仕事術の創造」という働き方ビジョンが2010年より掲げられており、サントリーが目指すべき姿として、会社業績の向上を意味するGrowingと個人生活の充実を意味するGoodの”2つのG”が定められています。

そして、2つのGを実現するために、主体的に変えるべき働き方として”S流仕事術”を提唱しており、これは①無駄のないSlimな仕事、②Speedyな仕事、③時代に先駆けたSmartな仕事の3”つのS”がひとつとなったSuntory流の働き方であると説明されています。

サントリーが掲げるS流仕事術の想像にあたっては、制度拡充、ITツールでのフォロー、意識改革、研修という観点からアプローチが行われています。

それぞれの内容としては以下のような取り組みを行ったそうです。

◆制度拡充

  • フレックス制度
  • テレワーク制度
  • 時間年休
  • 時間・場所のフレキシビリティの最大化

◆ITツールでのフォロー

  • 在宅環境の整備
  • Web会議の実践
  • 外形管理システムの導入

◆意識改革

  • ナレッジBOXの設置
  • 講演会の実施

◆研修

  • タイムマネジメントスキル研修
  • 業務管理研修

まとめ

テレワーク 取り組み 企業

ここまで、テレワークに注目が集まる理由、テレワークを実践している企業の取り組み事例に関してご説明してきましたが、いかがだったでしょうか?

テレワークを導入すると、従来の働き方で扱っていた企業の機密情報が、企業外部で扱われるようになることはもちろん、情報通信を通じてやり取りすることが一般的になるため、セキュリティを万全にするように呼びかけられることが多いかと思います。

確かに、セキュリティの面を重視するのも重要ですが、テレワークという新しい働き方を企業導入しようとする場合には、企業に勤める従業員がぜひともテレワークを導入しようと考えるような工夫を取り入れることもまた重要となります。

その工夫として、味の素、カルビー、サントリーすべてが、上司の積極的なテレワークの利用、制度面の確保、企業全体での(テレワークに寛容となる)風土の醸成を行っており、テレワーク制度をこれから導入しようとしている企業の皆さんにはぜひとも実践していただきたく思います。

この記事を通じて、テレワークに関わるさまざまな課題解決に、”テレワークを快適に利用するための制度”、”ぜひとも使いたいと感じるようになる風土の醸成”、”テレワークを支える技術の適切な活用”の3つが重要となることを実感いただけますと嬉しく思います。

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