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特集記事 2023.02.21
特集記事
2021.11.22
コロナウイルスの流行をひとつの契機に、大手企業・IT系企業を中心に急速な普及をみせた”テレワーク”。
蔓延防止を目的に日本政府が在宅勤務制度を推奨したことを理由に広がった働き方ですが、欧米諸国などでは既に実践されていた働き方であり、日本はやや後追いをする形となりました。
しかしながら、”職場に縛られない”働き方は現代の情報通信技術を駆使すれば以前から実現可能なものとして確立されつつあり、そのような社会情勢に対して前向きに制度・体制の改革を行っていなかった日本企業にとっては、コロナウイルスが新たな働き方へと改革するための、良いきっかけになったともいえます。
そして、テレワークは決してコロナウイルスの蔓延防止のために活かされるだけでなく、テレワーク体制を導入する企業、そこで仕事を行う従業員、テレワーク環境を整備する地域の自治体(日本社会)の3者にとって魅力ある(※)ものとなっており、大きな潮流が生まれつつあります。
今回は、そんなテレワーク制度を企業導入するにあたって、テレワークが注目される理由と、各企業を参考にしてテレワーク導入・実践の具体例をご説明していこうと思います。ぜひ最後までご覧になってください。
※地域の自治体の場合にはテレワークの中でも、特に、サテライトオフィスやワーケーションといった働き方において恩恵が受けられます。
冒頭でも触れさせていただきましたが、テレワークは決してコロナウイルスの蔓延防止に対して効果を発揮するだけでなく、企業・従業員・地域の自治体(日本社会)の3者にとって魅力あるものとなっています。
このような背景からテレワークに対して大きな注目が集まっているわけですが、具体的にはどのような利点があるのでしょうか?3者のメリットとしては主に以下のものが挙げられます。
◆テレワーク制度を導入する企業側のメリット
◆テレワーク体制が築かれた企業に勤める従業員側のメリット
◆テレワーク環境を提供する地域の自治体側のメリット
テレワークの利点をご理解いただいたところで、実際にテレワーク体制を企業導入してる各種企業の取り組み事例を見ていこうと思います。
今回ご紹介する事例企業は、総務省が選抜した”テレワーク先駆者百選”と、厚生労働省が選抜した”輝くテレワーク賞受賞企業”から抜粋したものとなっています。この中では説明するには足りないほどの企業がノミネートされていますので、お時間の許す際には、ぜひそれぞれのサイトをご覧になっていただければと思います。
まずはじめにご紹介するのは、「Eat Well, Live Well」でお馴染みの”味の素”です。味の素ではコロナウイルスが流行する以前からテレワーク制度を導入しており、2018年3月時点で、総従業員数3,464人のうち、テレワークを利用した従業員が2,922人に上るほど、積極的なテレワーク業務を行っています。
企業内における実際のテレワークシステムとしては、「どこでもオフィス」という名称で、自宅やサテライトオフィス、セキュリティが確保され集中して勤務を行える場所であれば、どこでも勤務可能としたテレワーク制度が導入されています。2018年時点で、生産オペレーターを含む全社員の84%がテレワークを活用していたということもあり、テレワークに対する経験が豊富に積まれているといえます。
「どこでもオフィス」の導入にあたっては、「顔を合わせないと仕事ができないという既成概念を打破する」という目標を掲げ、ルール策定(既存業務規程の緩和)・基盤整備・風土醸成の3つの指針を三位一体で行っていき、現在のテレワーク体制を築いたようです。
それぞれの指針の具体的な内容は以下のようにまとめられています。
◆ルール策定(既存業務規程の緩和)
◆基盤整備
◆風土醸成
ふたつめに紹介するのは、「掘りだそう、自然の力。」でポテトチップスを中心に広く知られているカルビー株式会社です。カルビーがテレワーク体制を築くまでの歴史は比較的長く、2007年の本社の一部部門にフリーアドレスを導入したことがきっかけです。
これを契機に2010年に、本社オフィスの移転と本社全社のフリーアドレスの導入が行われ、このタイミングで上司・部下がお互いに目の前にいない働き方の定着が図られていました。
その後、2011年に営業職の直行直帰スタイルが定着するとともに、モバイルワークが進展し、2013年の在宅勤務のテスト導入を経て、2014年4月に在宅勤務を全社に正式導入するという歴史を歩んでいます。
カルビー自身の在るべき姿として「付加価値の高いモノを開発し、供給できる会社」であると位置づけ、これを実現するためには個人の成長が必須であるという認識のもと、ワークライフバランスと業務成果に応じた結果主義を導入することが,これまでのテレワークの歴史を紡いできた根本にあったといえます。
また、カルビーも味の素同様に在宅勤務を行うにあたっては上司の方が積極的に利用し、テレワークの土壌を築いていたことが大きな特徴であるといえますし、また、会社トップが「効率的に働くこと」「Office is the most dangerous place」「現場に出ろ」といった”会社に在籍することを良しとしない”風土を定着させていったことも、テレワークの導入に効果的に働いたといえます。
次に紹介するのは飲料製品を中心に広く知られている、サントリーホールディングス株式会社です。サントリーのテレワーク体制の導入も非常に早期であり、2007年の2月の試行導入を経た後、その年の9月には育児や介護に関わる社員を対象にしたテレワーク体制の本格導入が行われました。
そして、この翌年2008年10月には、育児や介護などの従業員の自由を問わない形でのテレワーク体制へと制度の拡大が行われています。そして、2010年には更に新たな在宅勤務制度を試行導入しており、フレックス制度や在宅勤務制度の改訂が行われ、10分単位での在宅勤務が実現されるに至っています。
サントリーでは「ワークスタイル革新・S流仕事術の創造」という働き方ビジョンが2010年より掲げられており、サントリーが目指すべき姿として、会社業績の向上を意味するGrowingと個人生活の充実を意味するGoodの”2つのG”が定められています。
そして、2つのGを実現するために、主体的に変えるべき働き方として”S流仕事術”を提唱しており、これは①無駄のないSlimな仕事、②Speedyな仕事、③時代に先駆けたSmartな仕事の3”つのS”がひとつとなったSuntory流の働き方であると説明されています。
サントリーが掲げるS流仕事術の想像にあたっては、制度拡充、ITツールでのフォロー、意識改革、研修という観点からアプローチが行われています。
それぞれの内容としては以下のような取り組みを行ったそうです。
◆制度拡充
◆ITツールでのフォロー
◆意識改革
◆研修
ここまで、テレワークに注目が集まる理由、テレワークを実践している企業の取り組み事例に関してご説明してきましたが、いかがだったでしょうか?
テレワークを導入すると、従来の働き方で扱っていた企業の機密情報が、企業外部で扱われるようになることはもちろん、情報通信を通じてやり取りすることが一般的になるため、セキュリティを万全にするように呼びかけられることが多いかと思います。
確かに、セキュリティの面を重視するのも重要ですが、テレワークという新しい働き方を企業導入しようとする場合には、企業に勤める従業員がぜひともテレワークを導入しようと考えるような工夫を取り入れることもまた重要となります。
その工夫として、味の素、カルビー、サントリーすべてが、上司の積極的なテレワークの利用、制度面の確保、企業全体での(テレワークに寛容となる)風土の醸成を行っており、テレワーク制度をこれから導入しようとしている企業の皆さんにはぜひとも実践していただきたく思います。
この記事を通じて、テレワークに関わるさまざまな課題解決に、”テレワークを快適に利用するための制度”、”ぜひとも使いたいと感じるようになる風土の醸成”、”テレワークを支える技術の適切な活用”の3つが重要となることを実感いただけますと嬉しく思います。
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