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2021.12.01

テレワーク環境における社内コミュニケーション活性化のための4つの工夫の仕方を紹介

コロナウイルスが猛威を振るったことで日本政府から不要不急の外出の自粛を求められ、企業に向けては従業員の通勤時における交通混雑を回避するために”在宅勤務・テレワーク”体制へと移行する旨の要請が出され、企業は突発的な働き方改革を行わなければいけなくなりました。

業務体制やセキュリティ管理などテレワークのための環境は適切に導入できたとしても、急に新たな働き方を求められた従業員の中には悩みを抱えている方もいるかと思います。

そのひとつとして挙げられるのが、テレワーク環境下におけるコミュニケーションのとり方です。ZoomやSkypeといった対面でのオンライン会話を実現するツールや、Slackのようなチャット形式での会話を可能にするツールなど、便利なものが登場してはいるものの、これらをいきなり使いこなすのは難しいものです。

テレワーク環境下でのコミュニケーションの課題としては、「部下が仕事のどんな部分で悩んでいるのかを察しにくくなった」といった上司の方の声や、「勤務時間以外に上司と会話したりすることが極端に減り気軽に相談しにくくなった」、「新卒で入ったものの仕事上での会話がメインになっていて上司の人柄を知らずにいる、知らないから相談もしにくい」といった部下の方の声が挙がってきています。

従来の働き方のときから一貫して、社内コミュニケーションは企業が発展し続けていくために大切なものとして在り続けてきました。テレワーク環境におけるコミュニケーションの不足は結果的に企業の発展の障害となってしまう可能性もあります。

今回の記事では、そんなテレワーク環境下におけるコミュニケーションの重要性と工夫の仕方をご紹介していこうと思います。ぜひ最後までご覧ください。

社内コミュニケーションの重要性

テレワーク コミュニケーション 工夫

”職場で働く”という従来の働き方であったときから重要とされていた社内コミュニケーション。これは、社員間の業務関連の伝達から日常的な会話などの情報交換のすべてのことを表しています。

いわゆる、業務上の”ほうれんそう”と呼ばれる「報告・連絡・相談」が重要視されるだけでなく、社内コミュニケーションという観点では、そのような内容に限らず、普段のささいな会話や業務時間外での会話を含めた、上司と部下・同僚間でのコミュニケーションもまた同様に大切なことと考えられます。

しかしながら、企業の定年雇用制度の薄れや、プロジェクト型の人材投与などが活発化している背景に合わせて、従業員の企業に対する帰属意識も変化し、価値観が多様化しつつあります。

そして、テレワークを含めたそのようなニューノーマル時代の働き方は、社員同士が顔を合わせる機会を減少させている傾向にあり、これによって社内の業務におけるトラブルが発生してもいるため、従来から大切にされていた社内コミュニケーションの重要性が改めて認識されるようになってきているのです。

テレワーク環境における社内コミュニケーションの課題

テレワーク体制を企業導入すると、従業員それぞれの出社する機会が著しく減少するため、当然のように社員間での会話(社内コミュニケーション)が減少していきます。そのため、テレワーク導入時の懸念事項や導入後の課題として”社員間のコミュニケーション不足”を挙げる企業は少なくありません。

そんなテレワークのコミュニケーションに関する課題は他にも挙げられており、以下の通りとなっています。

  • コミュニケーションがとりづらくなる
  • 勤怠管理が難しくなる
  • 従業員が孤独や不安を感じやすくなる
  • ITリテラシーを徹底させる負担が発生する

それぞれに関して詳しく見ていきましょう。

コミュニケーションがとりづらくなる

これまでに何度か触れましたが、テレワークを導入するようになると、同僚間、上司と部下など従業員それぞれが直接顔を合わす機会が減ります。同じオフィスという空間にいれば、業務に関わることはもちろん、業務に関係のない話題でも会話が生まれることがあるでしょう。

しかしながら、テレワークでは他の従業員の業務状態が把握しづらく、雑談のような気軽なコミュニケーションを作りにくい状況にあります。

互いの存在を確認しやすい状況にあれば、会話をしてもいいのか、相手がどのような状態なのかなど把握しやすく、相手の反応もすぐに返ってきますが、テレワーク環境下では投げ掛けた言葉に対してすぐにリアクションが返ってくるのかも分かりません。

このような状況が続いてしまうと、社員同士の意思疎通が徐々に図りにくくなっていき、最終的にはチームワークにも影響を及ぼすようになってしまう可能性が大きくなってしまいます。

勤怠管理が難しくなる

テレワーク環境下では従業員それぞれを監督する立場の人が直接業務状況を見ることができないため、従業員それぞれの勤怠管理を行うことが難しくなります。

また、勤怠管理だけでなくテレワーク環境では業務の進捗状況の把握や管理がしにくいということも指摘できます。

業務に取り組んでいる姿勢や表情が直接見える状態であれば、調子よく進んでいるのか、何かにつまづいているのかなどを読み取りやすいものですが、テレワークでは従業員の状況を捉えにくいため、相談しやすい関係づくりや悩みを引き出すための会話の工夫を行うことが重要といえます。

従業員が孤独や不安を感じやすくなる

先に触れた課題に紐づいたものですが、コミュニケーションの滞り、社員同士の意思疎通の軽薄化、上司による部下の管理体制の難化の結果として、従業員が業務をはじめとして不安や孤独を感じやすくなってしまう可能性が大きくなります。

従業員の孤独感や不安感は仕事に対するモチベーションの低下を招いたり、離職につながったりする可能性も秘めているため、社員がそのような気持ちを抱かずに業務に従事できるように、コミュニケーションが生まれやすい環境を整えていく必要があります。

ITリテラシーを徹底させる負担が発生する

現場が多い職種の企業などは、従来の働き方ではテレワークと無縁であったケースも多く、実際にテレワークを導入しようと思うと、環境整備から始めていかなければいけなくなります。自社の業務に適したツールを導入するとともに、セキュリティ対策にも力を注がなければなりません。

加えて、このような物理的なテレワーク環境を整えられたとしても、この環境下で業務を行う”人”や、テレワーク環境下で業務に勤める従業員を統制する”ルール”も合わせて整備しなければ、十分なテレワークとしての機能が発揮されず、結局のところ生産性の低下につながりかねません。

社内コミュニケーション活性化の方法とメリット

テレワーク コミュニケーション 工夫

社内コミュニケーションの重要性と、テレワーク環境下におけるコミュニケーションの実情・課題に関してご理解いただいたところで、ここではそのような状況を打開するため(社内コミュニケーションを活性化するため)の方法とメリットをご紹介していこうと思います。

コミュニケーション活性化の方法

コミュニケーションを活性化させるための方法としては、以下のものが挙げられます。

  • 従来の働き方(職場で働くスタイル)で生まれていたコミュニケーションを、ツールを利用してオンラインでも実現する
  • リアルタイムでコミュニケーションが生まれる仕組みを整える
  • コミュニケーションツールを使用することにあたってのルールを策定する
  • 業務状況を可視化する

それぞれに関して詳しく見ていきましょう。

従来の働き方(職場で働くスタイル)で生まれていたコミュニケーションを、ツールを利用してオンラインでも実現する

企業の中で生まれるコミュニケーションは、”限られた人を対象としているか(クローズド)、全従業員を対象としている(オープン)会話であるのか”という観点と、”会話のやり取りがリアルタイムに行われるものであるのか(リアルタイム)、会話に時間的な間(ま)が空くものなのか(非リアルタイム)”という観点から4種類に分類することができます(以下の図を参照してください)。

テレワーク コミュニケーション 工夫

これらのコミュニケーションが、テレワーク(オンライン)環境下でも生まれるように適切なツールを利用することが活性化のための一つの方法として挙げられます。それぞれのコミュニケーションに適したオンラインツールとしては以下のものを推奨します。

◆リアルタイム・クローズドなコミュニケーション

  • Zoom
  • Skype
  • GoogleMeet
  • Whereby

◆リアルタイム・オープンなコミュニケーション

  • Slack
  • Remotty
  • Sococo

◆非リアルタイム・クローズドなコミュニケーション

  • Slack
  • Gmail
  • Chatwork

◆非リアルタイム・オープンなコミュニケーション

  • Qiita
  • SharePoint

リアルタイムでコミュニケーションが生まれる仕組みを整える

上記にて4つのコミュニケーションをご紹介しましたが、テレワーク環境において特に失われやすいのが”リアルタイム・オープンコミュニケーション”です。

職場で働く従来の働き方では、自然発生的に、特に深い目的を持たない挨拶や雑談などが生まれていましたが、テレワーク環境においては意識的にそのようなコミュニケーションを行うための場所を作らなければ中々発展することがありません。

リアルタイム・オープンコミュニケ―ションをオンライン上で生みだしていく際、従業員の中にはどのようなことを書き込んでいいのか分からなくなる人もいると思いますので、最初のうちはコミュニケーションの場を設けた発起人の方が積極的な書き込みを行い、”他愛のないことでも書き込んでいい”という雰囲気を作り上げていくことも大切となります。

コミュニケーションツールを使用することにあたってのルールを策定する

コミュニケーションツールは、リアルタイム・オープンコミュニケーションに対応したものだけでなく、その他のタイプにも十分に活用可能です。

その他のコミュニケーションの中には、根本に”連絡・相談・報告”の考えがあるものもあり、勤怠管理や業務スケジュールの管理などにも活かすことができます。

加えて、非リアルタイムなコミュニケーションは、オフィスにいる場合であっても同様ですが、会話の相手がすぐに返事を返せる状況にあるかどうかが分かりません。そのため、即レスを求めない、緊急性の高い内容である場合には直接の電話を許可するなど、状況に応じた対処法をルールとして定めておくことで、テレワーク環境でのコミュニケーションツールを最大限に活かせるようになります。

業務状況を可視化する

業務上における上司の方の管理負担、部下の方の業務負担を軽減するためにも業務状況を可視化することは非常に意味があります。業務状況を把握できれば上司が部下の業務状態を把握しやすくなりますし、部下にとっては相談をしやすくなります。

業務スケジュールをメンバー間で共有したり、グループチャット等でのこまめな情報共有などを行うことで業務の進捗状況を把握しやすくなります。細かくメンバーのスケジュールが把握できていれば、お互いの空き時間を掴みやすくもなるため、コミュニケーションが生まれる機会の増加につながります。

コミュニケーション活性化のメリット

上記に紹介したコミュニケーション活性化の方法を実践することによるメリットには以下のものが挙げられます。

従業員にとって働きやすい環境構築の実現

社内コミュニケーションをはじめとして情報共有が活発に行われていれば、チームとして組織的に業務に取り組めるようになるため、これが従業員にとって働きやすい環境へとなっていきます。また、業務のことはもちろん、プライベートな相談を気軽にできるようになると、精神的なストレスを解消しやすくなる効果が期待できます。

業務効率の向上

情報が従業員間で共有されるようなテレワーク環境が築かれていることで、取引先からの問い合わせなどに対して迅速なレスポンスが行えるようになります。また、取引先からの変更要請などがあった場合にも迅速に対応できるようになり、結果的に業務上での無駄を削減できるようになります。

企業ビジョンの共有・従業員間の方針の統一

テレワークをはじめとして、働き方や働くことに対する価値観は今後更に多様化していくことが予想されます。そのような状況下でも企業が健全な発展を遂げるためには、経営者をはじめとした企業上層部のビジョン・理念を全従業員と共有することが重要となります。

ビジョンを共有することで従業員の企業に対する帰属意識が強まり、仕事に対するモチベーションの向上や、離職率の低下などにつながっていくことが期待できます。

まとめ

テレワーク コミュニケーション 工夫

テレワーク環境における社内コミュニケーションの重要性と、これを実現するための方法を紹介してきましたが、いかがだったでしょうか?実際に実践してみたいと思っていただけたでしょうか?

従来の働き方の中でも重要視されていた社内コミュニケーションは、テレワーク環境という、コミュニケーションが自然な流れでは生まれにくい状況下では益々重要なものとなると考えなければいけません。

社内コミュニケーションの質が従来の働き方と遜色なく、テレワークを実現できるようになれば、企業にとっても、そこに勤める従業員にとっても嬉しいことばかりとなります。この記事を参考にして、従業員同士のコミュニケーションを増やすことができたという声が増えるようになれば嬉しい限りです。

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