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2021.03.07

テレワークとは?働き方改革の新様式について詳しく解説

みなさんは「テレワーク」という言葉をご存知ですか?新型コロナウイルスの感染拡大により多くの企業が大打撃を受けましたが、外出自粛やソーシャルディスタンスなど、感染予防に努めながらも柔軟な働き方で対応しています。

働き方改革が施行されてからもう少しで2年が経過しようとしていますが、このテレワークという言葉は働き方改革により一躍有名になった言葉の一つです。

テレワークとはTele(遠距離)とWork(働く)を組み合わせた造語で、ICTといって情報通信技術を活用し、時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方です。

テレワークだからなんでも自由にやっていいという訳ではなく、決められたルールの中でしっかりと成果を出さなければいけないのは、今も昔も変わりません。

この記事では、多様な働き方改革の中心を担っている「テレワーク」について、会社目線や社員目線など、様々な視点から詳しく紹介していきます。

テレワークとは?

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時間や場所を有効に活用できるテレワークという新しい働き方ですが、実はこの働き方、最近できたものではないのです。

テレワークの歴史

世界でテレワークを初めて導入したのはアメリカ。1970年代に初めて始まり、本格的に導入されたのはそれから10年ほど経過した1980年以降と言われています。

その頃アメリカでは大規模な地震が相次ぎ、災害対策のために導入する企業が増えました。今では全ての企業にテレワークを推奨するなど、アメリカでは急速にテレワーク化が進んでいます。

我が国日本で初めてテレワークという働き方が導入されたのは、約50年前の1984年ごろでした。とある電気会社が、育児や介護で忙しい社員のために、テレワークを勧めました。

バブルの時代に、土地の価格が高騰し、都心部から離れたところに働きながら育児や介護ができるようにと労働環境を整備することで、労働人口を確保し、良質な労働環境で働くことが可能となっていました。

しかし、バブル崩壊とともにテレワークブームが終わりを迎えます。それから再び流行り出したのは1995年以降、政府が中心となってテレワークに関する改革が行われはじめました。

在宅勤務、サテライトオフィス等さまざまな働き方が垣間見えましたが、実はこの第二次テレワークブームも長くは続きませんでした。

そして今回、大々的に『働き方改革』として8つの労働法の改正が行われ、昔に比べてインターネットが普及したり、コロナ禍ということもあったりでスムーズに改革が進んでいるように見えます。

テレワークの種類

テレワークとはICTを利用し時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方と定義されていますが、実は会社に行かずに家で仕事をするだけがテレワークではなく、テレワークにもいくつか種類があります。

在宅勤務

もっとも一般的なテレワークの働き方です。所属するオフィスに出勤しないで自宅を就業場所とする勤務形態のことです。

オフィスに出勤したり、面会、ミーティングの参加などで外出することがなく、1日の全ての業務を自宅で行います。

  • ワークライフバランスを実現する上で効果的な業務のやり方
  • 育児・介護との両立をすることが可能
  • 集中して作業する環境を整えやすい
  • 通勤時間の短縮になる
  • 交通費がかからない

など、上記のような利点が在宅勤務にはあります。

モバイルワーク

移動中や顧客先など、施設に依存せず、カフェやコワーキングスペースなどいつでもどこでも就業を可能とする働き方です。

商談、営業活動など外出する機会の多い業務の場合、さまざまな場所で効率的に業務を行うことにより、生産性の向上が見込めます。

  • わざわざオフィスに戻って仕事をする必要がないため、無駄な移動時間をなくせる
  • 移動時間を有効活用できるため、どこにいくにも早い対応が可能になる

など、上記のような利点がモバイルワークにはあります。

サテライトオフィス

所属するオフィス以外の他のオフィスや、遠隔勤務用の施設を就業場所とする働き方です。こちらの働き方はまだあまり世間的には馴染みのない働き方かもしれませんね。

所属するオフィス以外の他のオフィスが自宅の近くにあったりした場合、そこにテレワーク専用スペースを設置してそこで働くことや、現在使われていない施設、人の住んでいない空き家などを利用しテレワーク専用の就業場所として確保することにより、通勤時間などが短縮され、生産性の向上が見込めます。

  • 状況に応じた場所の施設を利用することで、通勤時間、移動時間の短縮になる
  • 通勤時間がネックとなり就業できなかった方々を雇用する事ができる
  • 空き家等を利活用することにより、大幅なコストカットが見込める

働き方改革によるテレワークの導入率

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ここ数年で急速に進んでいるかのように見える働き方改革のテレワーク。実際のところ導入率はどうなのか気になりますよね。

総務省の調べによると、2012年〜2018年にかけての企業のテレワーク導入率については、以下にまとめたのでご覧ください。

年代

導入率

2012年

11.5%

2013年

9.3%

2014年

11.5%

2015年

16.2%

2016年

13.3%

2017年

13.9%

2018年

19.1%

2015年に一時的に普及雨率は上がったものの、安定して高い数字を保つことはできませんでした。

首都圏でのテレワーク導入率

次に、日本の経済の中心地である東京に絞って、導入率を見ていきましょう。

2020年の時点で24%と、全国平均と比べると少し高い普及率となっていましたが、そこから一年経過した2021年1月の調査では、なんと57.1%という数字が出ました。

東京の企業の半数以上がテレワークを導入しているということになりますね。その中でもやはり多かったのが、従業員が300人以上いる大きな企業でした。

中小企業は従業員数も少なく、スピード感を持って効率よく生産性を向上させるのは難しいように見えます。

職業別のテレワーク導入率

テレワークの導入を考えている個人や企業の方々は、自分たちの業務内容をイメージしながら、テレワークが可能なのか、考えますよね?

次に紹介するのは、職業別のテレワーク導入率です。

実施順位のトップはコンサルティング業で74.8%でした。ついでWEBデザイナー、企画・マーケティング業などが上位にランクインしています。上位にランクインするIT系の職業は、半数以上がテレワークを導入していることがわかります。

そもそものインターネットの普及により、パソコン等を使用する職業の方々は、テレワークの移行がスムーズに行えていますよね。

下位を見てみると、介護職、美容師、ドライバーなど、テレワークができない職業も出てきます。人と接しないといけない職業や、機械ではなく人間自ら作業しないといけない職業は、なかなか普及率が上がらないのが現状です。

テレワーク普及に向けた政府の取り組み

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アメリカではもう80%を超えるテレワーク導入率に対して、日本はまだ20%前後ということを受けて、政府がテレワーク普及に向けて行っている取り組みをいくつか紹介していきます。

ふるさとテレワーク

日本経済の課題の一つが、都心部と地方の格差です。それを改善するのを目的として、地方のサテライトオフィスでテレワーク従事者を雇うことで、地方に活気をつけるための政策です。

スマートプラチナ社会の構築

自宅からあまり動くことのできない高齢者でも、働きやすい環境を作るため、総務省は高齢者に向けてテレワークを推奨しています。

寝たきりでなく、在宅できちんと仕事する環境が整えば、生産性の向上も見込めますし、認知症予防にもなり一石二鳥です。

被災地でのテレワーク推進事業

熊本地震や、東日本大震災の被害は大きく、現地ではいまだに避難や仮設住宅での暮らしを強いられている状況です。

建物の倒壊などにより、店舗数、企業の数も震災前に比べると減少し、求人も少なくなっていて、仕事がない方が多くいます。

そんな方々向けに、自宅でできるテレワーク業務を導入し、被災地の方々の生活の救済を目指しています。

テレワークが会社に与える影響を検証

テレワークが企業・社員・経営者にどんな影響を及ぼすのか?という問題を、48の企業で実証しています。

この検証により浮き彫りになった課題を、政府が中心となり解決していきます。

テレワーク先駆者百選

テレワークの導入・活用を進めている企業・団体を募集し『テレワーク先駆者百選』を公表しています。

選ばれた企業は、政府が作成したロゴマークの使用の許可が得られます。新卒採用など、人事でホワイト企業のアピールポイントになると、人気の政策です。

HAPPYテレワーク賞

今後のテレワーク普及に向け、テレワークの導入によってライフワークバランスの向上に貢献する効果のあった事例やエピソードを募集し、表彰する活動を行っています。

政府だけではなく、実際に取り入れている企業の『生の声』を聞くことにより、よりイメージしやすく、信頼性があってとても便利ですよね。

『テレワーク先駆者百選』及びHAPPYテレワーク賞の詳しい情報はこちら

普及啓発動画をYouTubeにアップ

テレワークを導入するメリットを動画にして、YouTubeにアップしています。

ICT企業、飲料メーカー、公務員によるテレワークのメリットがアップされています。

総務省動画チャンネルはこちら

テレワーク導入支援

113の企業に対して専門家によるテレワーク導入コンサルティングを、総務省が行っています。

年々実施する企業は増えてきており、総務省の支援により多数の企業が支えられています。

テレワークマネージャー相談事業

働き方改革のためのテレワーク導入に対して、セキュリティや労務関係の不安、問題点などを持つ個人や企業に対して専門家が無償で情報提供を行う事業です。

申し込みを行った後、オンラインにて説明会等がございます。

申し込みは、総務省のテレワークマネージャー相談事業のホームページからできますので、気になる方はぜひチェックしてみてください。

テレワークマネージャー相談事業ホームページ

テレワークデイズ

政府と東京都などが連携をとって展開している、働き方改革促進の国民運動プロジェクトです。

  • 日本全国にテレワークという働き方を定着させる
  • 通勤者を減らし、交通混雑の緩和を目指す

上記の二点を目標として行われてきました。

2017年から毎年一度行われていて、オリンピックの開会式である7月24日をテレワークデイと設定していましたが、オリンピックは延期となりました。

それに伴い、元々東京オリンピックで交通網のアクセスが予想されるためにテレワーク推奨運動を行ってきましたが、期間を限定せず、継続したテレワーク推進の呼びかけや情報提供を行っています。

過去4年間実施されてきましたが、のべ5,000を超える団体が参加し、実施した人の数は100万人を超えます。

参加した企業は、上場通信企業を中心に、製造業や建設業、保険やサービス業までさまざまとなっています。

交通緩和に関しては、テレワークデイズの実施により約10%交通の緩和の効果が得られている状況です。

年に一度行われていますので、次回参加したい方はテレワークデイズのホームページを事前にチェックしておきましょう。

テレワークデイズホームページ

テレワークのメリット・デメリット

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実際にテレワークを導入して、どんなメリットがあるのか?またどんなデメリットがあるのか?

導入する会社目線と、実際に行う社員目線でそれぞれ紹介していきます。

社員にとってのメリット

  • コロナ感染のリスクが減らせる
  • 通勤、移動の無駄な時間を省ける
  • 通勤のストレスから解消される
  • スーツ、制服など通勤、出勤にかかる身支度のコストがかからなくて済む
  • 自分のペースでリラックスして働ける
  • 無駄な雑談がなくなった
  • 家族と過ごす時間が増えた
  • 人間関係の悩みが解消された
  • 育児、介護との両立に成功した
  • 毎日かかっていたお昼代が節約できるようになった

企業にとってのメリット

  • ペーパーレス化が進み、コストカットに成功した
  • 交通費、出張費のコストカットに成功した
  • 企業のイメージアップにつながる
  • 災害時のリスクを減らせる
  • 離職率の低下につながった

社員にとってのデメリット

  • 対面のやりとりがなくなり相手の気持ちを汲み取りにくくなった
  • ちゃんと評価してもらえるか不安
  • 出社しているスタッフの業務が増えてしまう場合がある
  • テレワークに慣れてしまって通勤するのが億劫になる

企業にとってのデメリット

  • 情報漏洩のリスクが高まった
  • 社員のマネジメントがしにくくなった
  • コミュニケーションの量が減った

課題

働きやすい環境が整備され、たくさんのメリットがある一方、コミュニケーション不足などデメリットも出てしまっているのが現状です。

その点を解決しつつ、導入率を上げていくには

  • オンライン会議、チャットツールの導入
  • 勤怠管理などの労務関係の管理ツールの導入
  • セキュリティ対策
  • 人事評価制度の見直し

などが挙げられます。

国、企業、従業員が三位一体となって働き方改革に取り組む事が重要になってきます。

まとめ

働き方改革の中心的存在であるテレワークについて詳しく紹介しましたが、参考になりましたか?

日本の経済成長にとって、テレワークという働き方は今後必要不可欠になってきます。新型コロナウイルスの感染防止策としても、とても理にかなった働き方ですよね。

テレワークの導入を考えている企業も、今後導入を考えている方も、新しい働き方をお探しなようでしたら、ぜひテレワークを取り入れてみてください。

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