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特集記事 2023.02.21
特集記事
2021.03.06
ワークとバケーションを組み合わせた造語「ワーケーション」が新型コロナウイルス感染拡大により注目を集めています。ワーケーションは、普段仕事をしているオフィスを離れ、観光地などで旅行を楽しみながら、リモートで仕事をする働き方です。
コロナ禍でリモートワークなど多様な働き方が急速に浸透してきた今、企業と社員の両方にメリットがあるワーケーションは、これからの時代の働き方として当たり前になっていく新しいスタイルであることに間違いなさそうです。
さらに、ワーケーションを実施することは、新型コロナウイルスによって訪日外国人が激減し、苦境に立たされている地方に人を呼び込むなど、企業と社員だけではなく地方自治体にもさまざまなメリットがあります。
そのため、ワーケーションを積極的に誘致している自治体も多く、リモートワークで使用できるワーキングスペースを充実させたり、地方ならではの暮らしを体験できる場を設けたりとそれぞれの自治体が地元の長所を生かした工夫を凝らしています。
地方自治体が地元の住民と連携してワーケーションを誘致することで、地域と企業、個人の繋がりを作ることができるうえ、それにより関係人口を増やし、さらには移住による定住人口を増やすことにも繋がります。
実際に体験した方は、オフィスとは違う環境で気分を変えることができ、仕事の効率が上がったなど好意的な意見が多いワーケーションですが、これから実践しようと思っている方は、どの地域に行ったらワーケーションを快適に過ごすことができるのかわからないですよね。
そこで本記事では、ワーケーションに積極的な自治体とワーケーションが自治体に与えるメリットをご紹介します。
休暇を兼ねてリゾートなどでリモートワークを行うワーケーションですが、ネット環境さえ整備されていれば自然を眺めながらも仕事ができてしまいます。
しかし、休暇と仕事をきっちりと分けるためにも、ネット環境だけではなく仕事にあると便利な設備が整ったコワーキングスペースなどがあれば、生産性がアップし、もっと多様なワークスタイルが実現するかもしれません。
すでに多くの地方自治体がワーケーション施設の提供などを行っており、企業や個人のワーケーションを積極的に受け入れる体制を整えています。
ここでは、ワーケーション自治体協議会についてとワーケーションに積極的な自治体を7つご紹介します。
ワーケーション自治体協議会は、リモートワークを利用し、オフィスや自宅から離れた観光地や温泉などで休暇を楽しみつつ仕事や地域活動を行うワーケーションを全国的に普及させることを目的として、2019年11月に1道6県58市町村の自治体が参加して設立され、2021年2月現在では、参加自治体は1道20県149市区町村になりました。
ワーケーション自治体協議会では以下のような取り組みの情報をFacebookで発信しています。
詳しくはワーケーション自治体協議会公式Facebookをご覧ください。
ワーケーション誘致を先進的に行っている長野県では、コロナ禍以前の平成30年度から信州リゾートテレワークというワーケーション誘致の取り組みを進めています。
2018年の知事会見では、既存の施設や資源を積極的に活用し、地域の活性化及び観光の振興にも繋げたいという姿勢が伺えました。
リゾート地として有名な長野県は、地元の良さを生かしてワーケーションで訪れる方々に質の高い時間を過ごしてもらおうと考え、リゾートテレワークという概念を推進。ワーケーション誘致のための設備投資やワーケーションについての勉強会の実施など、積極的に活動しています。
2019年には信州リゾートテレワークのFacebookページと公式サイトが開設され、信州の山々がデザインされたロゴマークも作成されました。
令和2年度には、企業による利用促進を図り、信州リゾートテレワーク実践支援金という補助制度を実施しています。この補助制度は、県外にオフィスを構える企業や団体を対象として社員が1人1泊あたり1万円以上の県内宿泊施設に3泊以上滞在した場合、宿泊費用の一部を支援するというもので、必ずしも同じ宿泊施設に泊まっていなくても適用されます。
詳しくは信州リゾートテレワーク公式サイトをご覧ください。
内閣府は主要観光地であるうえ、一年中過ごしやすい気候で花粉症が少なく、アジアとも距離が近いという他県にはない沖縄の特徴を生かした観光とリモートワークを併せた政策を推進し、県外企業の沖縄進出や県内企業の働き方改革、企業価値向上のため、沖縄県内の既存施設の改修によるリモートワーク施設の整備や施設の活用を支援する沖縄テレワーク推進事業費補助金や沖縄でワーケーションするモニターツアーを実施するなどの活動を行っています。
県でも、さまざまなモニターツアーや県内テレワーク施設のための勉強会や情報交換会などを開催しています。
最大13連泊で、長く泊まれば泊まるほど1泊あたりの宿泊料が安くなるプランや、大手旅行会社が提案する沖縄でのワーケーションプランもあります。沖縄の海を満喫しながら仕事がしてみたい方はぜひ沖縄でのワーケーションを検討してみてはいかがでしょうか。
詳しくはテレオキプロジェクト公式サイトをご覧ください。
東京から南へ約160kmのところにある新島村は、サーフィンとくさやが有名な島です。東京都ワーケーション普及促進等モデル実証事業として、企業を対象としたワーケーション体験モニターツアーの対象にもなっています。
Wi-Fiや電源、複合機、web会議ができる会議室なども完備されている古民家のようなワークスペースで、雄大な自然や島民と触れ合いながらリラックスして仕事ができます。
新島村では以下のようなアクティビティを楽しむことができます。
ほかにも、電気自動車による島内観光や島料理体験なども行っていますが、時期や材料によっては実施していない場合もあるので問い合わせてみましょう。
詳しくは東京都ワーケーション普及促進等モデル実証事業公式サイトをご覧ください。
長崎県では海や山などの自然環境や世界遺産などの観光資源、地域の方々とのさまざまな交流が楽しめるリモートワークなど、ワーケーション受け入れの取り組みであるリモートワークin長崎プロジェクトを実施しています。
県だけではなく市町村でも独自のワーケーション応援プランを実施していて、長崎市でもワーケーションを検討している企業の視察を行うなど、ワーケーション誘致に力を入れています。
リモートワークin長崎プロジェクト公式サイトでも、長崎県内でリモートワークが可能な施設や県内市町村の取り組みを公開していますので、気になる方はぜひご覧ください。
三重県も企業のワーケーションを積極的に後押ししている県のひとつです。首都圏の企業を対象に、県内数カ所のモデルエリアへの誘致を行っています。誘致にあたり、オンラインセミナーなどを通じてPRするほか、地元との連携を深めて受け入れ態勢を強化しながら企業とのマッチングサイトを開設するようです。
ワーケーションの受け入れにあたっては、県が各自治体や地元のNPO法人などを支援。ネットワーク環境の整備や交通の利便性を高めたり、食の交流イベントや体験プログラム、アクティビティなどの充実にも力を入れています。
北海道では、地元の自治体と連携し、企業の社員や家族に観光とは一味違う北海道の魅力を感じてもらうため、スマート農業などの最先端技術の視察や地元産業界との意見交換会などのワークメニュー、北海道の雄大な自然や独自の文化、アクティビティなどのバケーションメニューなど、参加企業のニーズに合わせたプランを提供する北海道型ワーケーションを推奨しています。
さらに、道庁が運営している北海道サテライトオフィス・テレワーク拠点ガイドマップにて、道内のサテライトオフィスやリモートワークの拠点となる施設をまとめて紹介するなど、積極的にワーケーションの受け入れを行っています。
道だけではなく、各自治体でもワーケーションの総合サイトを設置。施設や宿泊情報、観光、イベント情報をまとめています。例えば函館市では、ワーケーションで利用可能な施設情報や市内企業との交流などを紹介し、積極的な誘致活動を行っています。
北海道型ワーケーションに関しては北海道ワーケーション公式サイトを、函館市のワーケーションに関する詳しい情報はWORK+VACATION in HAKODATEをご覧ください。
熊本県で唯一ワーケーション自治体協議会に参加している菊池市では、サテライトオフィスへの入居者募集や、移住やビジネス展開を考えるKIKUCHIチャレンジプロジェクトを開催しています。
ITを活用した交流人口などの増加や働き方改革などを推進するグローカルビレッジ構想を掲げている菊池市では、ソフトバンクやYahoo !といった大手IT企業をはじめ、地方での事業展開や進出を視野に入れている企業による大規模な地方創生事業が展開されています。
熊本県菊池市は、全国各地の温泉地の魅力を投票形式で競う温泉選挙2020において、歴史、文化部門第一位になった菊池温泉や、班蛇口湖でのカヌー、カヤック体験、菊池渓谷ウォーキングなど、アクティビティも充実。
ゆったりと過ごしたい方にもアクティブに過ごしたい方にもおすすめのワーケーションスポットです。
詳しくは菊池市公式ホームページをご覧ください。
ワーケーションは、導入する企業や団体、個人だけがメリットを受けられるわけではなく、ワーケーション利用者を受け入れる地方自治体にとっても大きなメリットがあります。
ここでは、ワーケーションを利用することによって、地方自治体にどのようなメリットがあるのかをご紹介します。
ワーケーションでは、利用者が増えることでその地域の観光業や商業が盛り上がることが期待されています。ワーケーションは、すでに有名な観光地だけでなく、まだあまり有名でない観光地でもできるため、全国のさまざまな観光地に注目されているのです。
現在、新型コロナウイルス感染拡大によって全国の観光地は大打撃を受け、閉店せざるを得なくなってしまったお店や旅館、ホテルなどがたくさんあります。そんな中で、ワーケーションは観光地にとって切り札になることが期待されている働き方なのです。
新型コロナウイルス感染拡大を受けてリモートワークが急速に広まった現在、インターネット環境とパソコンがあれば場所を選ばずに仕事ができる方も増えてきました。
自治体でも、すでにある旅館やホテル、空き家などの施設のインターネット環境と設備を整備することでワーケーションを受け入れようという動きが活発になっています。
既存の施設を利用することで低コストで観光業の盛り返しが狙えることから、ワーケーションに力を入れている自治体もたくさんあります。ワーケーション専用プランや長期滞在用プランなどを用意している自治体もあるので、ワーケーション先を探すときは自治体から選ぶと、観光業の応援にも繋がり地方創生にも協力できます。
近年、地方では若者が都市部に集中してしまうことによる人口の減少が問題視されていますが、ワーケーションはそのような問題を解決するための方法としても効果的です。
人口減少に歯止めをかけるには、移住者を呼び込む必要がありますが、都市部からの移住先を選ぶきっかけとしてワーケーションを行い、実際に働きながら観光を楽しんでもらうことで、働きながらここで暮らしたいと思ってもらうのです。
また、都市部の方々が地方との関わりを持つことで、住んでみなければわからなかった良さに気がついたり、客観的な視点から地域を活性化する新しいアイデアが生まれる可能性があります。
ワーケーションは一般的な観光旅行よりも滞在が長期化することが多く、その地域の生活圏に触れることも多くなります。さらに、定期的に同じところに通うリピーターも少なくないことから、地方自治体の人口減少を食い止める手段としても期待されているのです。
ワーケーションに積極的な自治体とワーケーションが自治体に与えるメリットをご紹介しました。
ワーケーションが日本で知られ始めてからまだ日が浅いため、まだ試行錯誤中である部分もありますが、これからどんどんワーケーション誘致に賛同する地方自治体は増えていくと思われます。
滞在先や施設などの情報がまとまったホームページなども増加傾向にありますので、ワーケーションに興味がある方、ワーケーション先を探している方は地方自治体のホームページにも注目し、自治体発の情報も活用していくことをおすすめします。
国や自治体からの補助金などが出る場合もありますので、その点にも注意しながらワーケーション先を選びたいものです。
ワーケーションを検討している方はぜひ本記事を参考に、ワーケーション先を選んでみてくださいね。
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