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特集記事 2023.02.21
特集記事
2021.11.27
コロナウイルスが猛威を振るう中で、日本政府は爆発的な感染を抑制するために、不要不急の外出の自粛を求め、就業形態も従来の会社へと出社して働くワークスタイルから、在宅勤務へと移行するように求めてきました。
これによって在宅勤務体制を敷く(在宅勤務体制へと移行する)企業も増え、昨今は”テレワーク”という言葉を耳にすることが随分と一般的となりました。
このような社会情勢のもと、新たに注目を集めるようになった働き方が”ワーケーション”です。ワーケーションとは、働くことを意味する「Work(ワーク)」と休暇を意味する「Vacation(バケーション)」とを組み合わせた造語であり、「働きながら休暇をとる(休暇を満喫しながら働く)」ことを意味しています。
ワーケーションには各種のメリットがあり、その恩恵はワーケーション制度を導入した企業、その企業に勤める従業員が得るだけでなく、導入企業の従業員が実際に休暇を過ごすための環境を提供する、日本全国の自治体も数多くのメリットを享受できます。
このような背景もあり、昨年からワーケーション導入企業を誘致するための自治体の活動も盛んになってきています。今回の記事では、ワーケーションのための環境を提供する自治体の事業内容を中心に、ワーケーションの魅力や自治体が得られるメリット等に関してご説明して参ります。ぜひ最後までご覧になってください。
ワーケーションの意味については冒頭にて触れたとおりですが、働きながらも同時に休暇をとれることで、これまでのワークスタイルでは実現できなかった時間の使い方ができるようになるのです。
一例ですが、ある大手の有名企業が有給休暇の取得促進を目的としてワーケーション制度を会社に導入したところ、実際にワーケーションを活用しようと動く社員が多かったようで、利用した社員からは「仕事の都合上、断念しようとしていた実家への帰省が無事に叶った」という声や「普段の職場、テレワーク環境での自宅とは異なる環境で気分転換を図りながら仕事に取り組め、結果的に効率よく業務をこなすことができた」という声など、好意的な評価が多かったようです。
このように、社員が受けるワーケーションの恩恵は圧倒的に”仕事と休暇が両立できる”点に集約されますが、このような制度を導入している企業もまた、今後増えるであろう新しい働き方に寛容であることを外部にアピールすることができ、結果的に企業に有力となる人材を確保したり、彼らの企業への在籍を長くすることにもつながっていくのです。
ワーケーションを導入する企業や、そこに勤める従業員がワーケーションによって得られる恩恵や、ワーケーションの導入・利用の際に考えるべき課題点など、以下の記事ではそれらに関してより詳細に説明されていますので、お時間の許す際にはぜひご覧になってみてください。
『ワーケーションとは?新しい働き方の魅力と課題を紹介』【With KUMAMOTO-熊本県企業進出プラットフォーム-_公式】
先に、ワーケーションのメリットに関して、導入した企業とそこに勤める従業員の立場から説明させていただきましたが、ワーケーションのメリットを受けるのは彼らだけでなく、ワーケーション環境を提供する日本全国の自治体も恩恵を受けることができます。
ここでは、ワーケーション制度と自治体の関係性に関して、自治体が得られるメリットと、ワーケーションに積極的な自治体に関してご説明していこうと思います。
テレワーク・ワーケーション制度を導入する企業が増加するのに合わせて、移住を伴ったテレワークやワーケーション環境を提供する自治体も随分と多くなりました。
では自治体がワーケーション制度を活用するのはどうしてなのでしょうか?ここでは、自治体が得られるワーケーションのメリットに関してご説明していきます。
主なメリットには以下のものが挙げられます。
それぞれに関して詳しく見ていきましょう。
ワーケーションは、仕事と休暇を両立するものであるため、その環境を提供する自治体の多くが観光施設と協力し、観光施設を一時の生活拠点にしてもらい、仕事以外の時間を休暇や観光に費やしてもらうという形をとっています。
そのため、ワーケーションを利用して自治体を訪れる人が増加すると、観光施設をはじめとした自治体の観光業が盛り上がっていくことが期待できます。また、ワーケーション利用者は一時の生活の中で必要となるモノを買うことも十分にあるため商業の活性化にも繋がっていくと考えられます。
コロナウイルスの感染拡大によって全国各地、多くの観光地(自治体)が打撃を受け、閉店へと追い込まれた商業・観光施設がたくさんありますが、ワーケーションの普及拡大はそのような観光地(自治体)にとって活性化への糸口になる可能性があるのです。
感染拡大以前からあった考えでもある”関係人口”ですが、コロナウイルスの感染拡大、テレワーク・ワーケーションの企業導入を皮切りに、この言葉を聞くことも随分と多くなりました。
関係人口とは、日本全国の地域と人々のつながりを表した言葉であり、地域で生活基盤を整え日々を送るように、地域との関りが密接である”定住人口”と、観光などを目的とした時にのみ地域を訪ね、基本的に地域との関りがほとんどない”交流人口”の、中間の位置にある人々を指す言葉として用いられます。
関係人口に属する人々にはさまざまな地域との関わり方があると説明され、「以前その地域に住んでいた」や「その地域に自分の親族がいる」といった地域に対してルーツを持つ人々、地域を何度も訪ねては去るように行き来する人々などさまざまです。
ワーケーションが地域と関わるためのひとつのきっかけとなるため、これが地域の関係人口の増加につながる可能性は十分にありえます。
(出典:地域への新しい入り口-関係人口ポータルサイト_「関係人口とは?」)
上記の関係人口の増加に紐づくメリットですが、観光などを目的とした一時的な地域との関わり(交流人口)を超えた、地域との関わり方を続けていく(地域にとっての関係人口となる)ことで、地域の魅力や地域住民の人の良さを知っていくことにつながります。
そして、そのような側面から地域を知っていく中で関係人口としての在り方から、”地域に住もう!”、つまりは定住人口としての在り方へと変わろうとする人も現れるようになることが期待できます。
これが結果的に地域にとって、自治体外からの移住・定住人口の増加へとつながっていくのです。関係人口の増加のためには、観光業や商業・観光施設の設備等でのサポートが目立ちますが、移住・定住も視野に入れるとなると地域全体でのサポートが大切になるため、関係人口、移住・定住人口の増加を一連の目標に定め地域の活性化に努めている自治体も増えてきています。
これまで説明してきた、地域の関係人口、移住・定住人口の増加の先にあるメリットですが、地域の人口が増加することによって、消費力が向上し、これが地域経済の活性化につながり、更に地域住民の収入の向上や地域自治の向上などにつながっていくというように、地域が活性化するためのループが生まれるようになります。
地域が活性化を続けていると、結果的に地域や自治体が在り続けらることにもなります。つまりは地域自治体の持続性の改善・向上へとつながっていくことになります。
次に、実際に積極的にワーケーション制度の受け入れ、ワーケーション環境の提供を行っている自治体に関してご紹介しようと思います。
ワーケーションの普及が広がり始めた当初から積極的に動き出していた自治体も数多くあり、2019年11月には「ワーケーション自治体協議会」が設立され、”リモートワークを利用して、オフィスや自宅から離れた観光地や温泉などで休暇を楽しみつつ仕事や地域活動を行うワーケーションを全国的に普及させることを目的”として1道6県、58市町村の自治体の参加のもとに作られました。2021年10月現在では1道22県、177市町村が参加しているようで、会員自治体が200を超え、益々勢いが増していることが窺えます。
このような動向が見られる、ワーケーションと自治体の事情ですが、その中でも注目を集めている自治体には以下の自治体が挙げられます。
それぞれの自治体の取り組みに関して詳しく見ていきましょう。
北海道は道内の17市町との共同事業として”北海道型ワーケーション”を提供しており、北海道でのワーケーションならではのオリジナリティの創出に積極的に取り組んでいます。
この北海道ワーケーションとは、首都圏の企業に勤めている社員やその家族を対象として、道内に設立されている短期滞在型のサテライトオフィスを活用し、これら施設を北海道全域で利用することで、長期滞在・広域周遊型の北海道ならではのワーケーションプランとなっています。
受け入れの後のプログラムも2種類用意されており、北海道の大自然の中での自然体験・観光などをメインとした”休暇・観光型ワーケーションプラン”と、北海道の農業生産を支えている最先端スマート農家の施設などを盛り込んだ”仕事・業務型ワーケーションプラン”があり、利用者にとって魅力多いものとなっています。
長野県は県内にある代表的なリゾート地である、軽井沢町、茅野市、白馬村と提携し”リゾート地でのワーケーション”事業を提供しています。
それぞれの自治体がリゾート地としても有名である分、観光としての魅力が詰まった地域であり、多くの利用者の目を引くことになるといえます。
また、長野県のワーケーションにおける取り組みでは、施設として商店街の空き店舗といった遊休施設を利活用しており、地域に深い関りを持つ人々との交流の機会がすぐそばにある点でも、非常に魅力的となっています。
和歌山県は全国の自治体に先駆けてワーケーションを推進することを平成29年度に決定して以降、さまざまな誘致施策や環境整備を行っているため、ワーケーションにおける環境面での魅力が他の自治体以上に豊富であるといえます。
国内ではまだ多くの事例が見られない、ワーケーションを周知・普及するためのPR活動も展開しており、”和歌山県=ワーケーション先駆者”としてのブランディングに積極的であり、今後も目が離せない自治体であるといえます。
ワーケーションに積極的な自治体を先に紹介しましたが、熊本県だって負けてはいません。ワーケーション自治体協議会に参加している自治体は、菊池市、天草市、八代市の3市に留まっていますが、その他の自治体も積極的な動きを見せており、これからにぜひ注目してもらえればと思います。
また、ワーケーションを利用する方に向けて、熊本県のワーケーション環境を提供している施設を紹介しているサイトも用意されており、その中では上記に挙げた3市以外にも、阿蘇エリアの小国町や、球磨エリアの水上村なども紹介されています。
熊本県は天草方面に向かえば海の魅力を、阿蘇方面に向かえば緑の魅力を感じることができ、ひとつのワーケーションスポットを決めるのは惜しくも感じてしまいます。ぜひともワーケーションを利用する際には熊本県の魅力をさまざまな場所で感じて頂ければと思います。
熊本県でのワーケーションを考えられた方はこちらをクリック!→→→【WORKATION in KUMAMOTO】
昨今、注目を集めているワーケーションに関して、環境を提供する地域の自治体が得られるメリット、ワーケーションに積極的な自治体に関してご説明してきましたが、いかがだったでしょうか?
自治体が得られるメリットも非常に大きいものであるため、ワーケーションを活用した事業を展開するのは企業だけではなくなりつつあります。
自治体も企業もこのような流れの中で、ワーケーションを活用する動きが更に活発になれば、利用者にとっては益々、魅力の多いワーケーションになっていくことは間違いありません。更には、このワーケーションの恩恵を通じて、日本各地の自治体が活性化され、持続的な在り方へ移行できるようになれば、日本全体でも嬉しい効果となります。
この記事がワーケーション事業を検討なさっている自治体関係者や企業関係者のお力になれば幸いです。
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