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特集記事 2023.02.21
特集記事
2021.03.01
ワーケーションとは、Work(ワーク)とVacation(バケーション)を組み合わせた造語で、観光地やリゾート地などの旅先でリモートワークを行う業務形態のことです。
厚生労働省が発表した労働者の意識調査によると、約7割の方が仕事をためたくない、有給休暇を取りにくい、取りたくないと答えています。
そこで、コロナ禍での生活、労働様式の変化によって急速に普及し始めたリモートワークを活用し、仕事をしながら休暇を取ることができるワーケーションが働き方改革の後押しになるとして、日本でも普及させようと行政も取り組みを始めています。
これまでは会社の所在地に縛られていた働き方でしたが、リモートワークによって以前よりも働き方の自由度は増しています。これからの時代は物理的な距離よりも、仕事で力を発揮するためのより良い環境や、旅をしながら働くことを求めるニーズがより高まるのではないでしょうか。
そこで本記事では、今急速に変化している働き方に合わせ、地方を旅しながら仕事をするワーケーションに興味をお持ちの方のために、ワーケーションという働き方の詳細と魅力、そして課題をご紹介します。
仕事と休暇を両立させるワーケーションは、在宅やコワーキングスペースで仕事をするのではなく、観光地やリゾート地などの旅先でリモートワークを行う働き方のことです。
元々は2000年代にアメリカで始まったものですが、日本でもコロナ禍でリモートワークという働き方が浸透していく中、ワーケーションは改めて注目され始めました。
ここでは、そんなワーケーションについて詳しくご紹介します。
この2つの働き方の最も大きな違いは、場所が限定されているかどうかです。そもそも、コロナ禍で急激に耳にするようになったリモートワークですが、これは通常仕事をするオフィス以外の自宅やカフェ、コワーキングスペースなどで仕事をすることをいいます。
実は、ほとんどの場合、仕事をする場所に関しては会社から限定されているため、自分の好きな場所どこで仕事をしても良いというわけではありません。
わかりやすくいうと、リモートワークは通常の勤務時間内にオフィス以外の指定された場所で仕事をするための働き方です。
一方、ワーケーションは休暇中に滞在している場所でリモートワークを行う働き方です。普段オフィスで行っている作業だけではなく、リモート会議や打ち合わせなどのさまざまな業務を行うことができます。
ワーケーションは休暇と通常業務を組み合わせたものなので、リモートで仕事ができる特徴を活かしつつ、休暇でリフレッシュすることが目的の働き方なのです。
勤務時間に関しても、通常の勤務時間内に仕事をするリモートワークとは違い、休暇が主な目的のワーケーションは比較的自由に自分のペースで仕事をすることが可能となっています。
政府は2021年度の観光庁関連予算において、新たな旅のスタイル促進事業として5億400万円を計上し、環境庁でも国立、国定公園、国民保養温泉地のキャンプ場、旅館、ホテルなどを対象として助成金を用意するために30億円を予算化するなど積極的に動き出しています。
これは、コロナ禍における働き方の多様化によるワーケーションやサテライトオフィス実現のための環境整備、普及啓発、旅行商品の造成支援を図ることにより、従来の日本の旅行の特徴である特定の時期に一斉に休暇取得する、宿泊日数が短いといった傾向を分散化させる狙いがあります。
さらに、2019年11月にワーケーションを受け入れる側の全国の自治体が集結し、ワーケーション自治体協議会(WAJ)が設立されており、現在は1道20県149市町村の計170の自治体が参加しています。
すでに各自治体では、宿泊施設などがワーケーション受け入れの環境準備などにかかる費用を支援する制度が設けられ、積極的に誘致活動を行っているところもあります。
今現在ワーケーション自治体協議会(WAL)に参画していない自治体も、今後加入する可能性がありますし、自治体や地元の企業や施設で独自の取り組みを行っている場合もあります。
例えば、熊本市では、お試しリモートワーケーション体験プログラムの参加を募集し、水曜日から金曜日までは市内のコワーキングスペースやカフェなど地元の良さのある場所でのリモートワークを実施しており、休憩中には熊本城や水前寺成趣園などの熊本の名所を散策できるなど、ワーケーションを体験できるプランを実施しています。
週末は完全なフリータイムのため、温泉や阿蘇山などの自然を満喫したり、熊本の美味しくて安いグルメを堪能することもできます。説明会もオンラインで実施しているので、気軽に参加することができるのも魅力です。
このように独自のプランを用意している自治体もあるので、ワーケーションを実施してみたい地域がある方は、その地域の今後の動きにも注目してみましょう。
日本におけるワーケーションの普及とビジネス化、地位経済の活性化を目的として2020年7月に設立された一般社団法人ワーケーション協会は、都心から実際に地方へ移住した方々、地域の企業、国、県や市区町村などの自治体との連携を図り、ワーケーションを活用した成功体験やモデルをほかの自治体へ提案し、ワーケーションを取得しやすい環境の整備や活動を行っている団体です。
ワーケーションを休暇中でも休まず仕事をする期間にしないために、活動を行い、賛同を求めています。
一般社団法人ワーケーション協会の活動内容は以下の通りです。
これから先、リモートワークやワーケーションが増えていくと賛同する自治体や企業はさらに増加していくと考えられます。
公式ホームページでワーケーションに関する情報を発信していますので、ワーケーションに興味のある方は参考にしてみると良いでしょう。
リモートワークを活用することで、普段の職場から離れたところで仕事ができるワーケーションは社員にとっても企業にとっても魅力がたくさんある働き方といえます。
では、具体的には社員と企業にとってどんな魅力があるのか、それぞれご紹介します。
頑張って仕事を調節して1週間休暇を取って旅行を計画したけれど、どうしても外せない会議が入ってしまったために泣く泣くキャンセルした、などの経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
日本の企業では、有給があっても実際にはなかなか休暇を連続して取ることは難しいものですが、ワーケーションを前提とすると今までよりも自由に旅行のスケジュールを組めるので、休暇中に仕事のことが気になってしまうこともなくなります。
そのほかにも社員にとって以下のような魅力があります。
社員にとってワーケーションの1番の魅力は、働く場所と時間が自由なことです。会議などを予定している場合はその時間を仕事に充てる必要がありますが、それ以外の過ごし方は自由に決められるのも大きな魅力といえます。
さらに、仕事は短時間集中で効率もアップ、旅行先で出会った人や場所によって、新しいアイデアがひらめくこともあるかもしれません。
企業がワーケーションを推進することで、他社との違いや働き方改革に取り組んでいる企業だとアピールすることができるという魅力があります。
さらにワーケーションは企業にとって以下のような魅力があります。
ワーケーションは社員が休暇を取りやすくなることで働き方の自由度が増し、趣味や好きなことに時間を活用したり、家族との時間が増え、モチベーションの向上も期待できるうえ、離職者の予防にもなります。
ワーケーションは、社員にも企業にもたくさんの魅力がある新しい働き方ですが、その一方で課題があるのも事実です。
ここでは、社員と企業にとってのワーケーションの課題をそれぞれご紹介します。
ワーケーションは上記でもご紹介した通り、仕事と休暇を両立する新しい働き方ですが、自由に仕事ができる反面、休暇先におけるオンとオフの切り替えが難しくなります。
その理由は旅先でも仕事ができてしまうため、仕事に専念しすぎて休暇の時間を取れなくなってしまう可能性があるためです。
そのため、特に家族やパートナーと旅行に行くときは仕事と休暇のメリハリを意識して、メールチェックも仕事が終わったらしないなど、仕事の時間を区切るなどの対策が必要となるでしょう。
以下が社員にとってのワーケーションの課題です。
長期でワーケーションをするときには、自分がオフィスに不在である場合の対応を同僚にお願いするなど周囲の協力も不可欠です。
日本では周囲の人に迷惑をかけてしまうことを気にする方が多いですが、自分が行くときのことも考えて、同僚がワーケーションを取得する際には積極的にサポートするなど普段から気をつけておくことも重要です。
また、そもそも普段からリモートワークに慣れていない方が急にワーケーションを取得した場合、パソコンの接続がうまくいかなかったり、思ったよりも成果が出せない可能性もあります。
ワーケーションを実施する際の費用についても、誰が負担するかは会社によって違いがあるので、勤務する会社のルールを知ることも必要となってきます。
社員の心身のリフレッシュを図ることで生産性の向上や働き方改革の一環として職場環境の改善にもつながるワーケーションですが、社員がそれぞれ別の場所で仕事をするということは、情報漏洩のリスクが高まるなどのデメリットにも注意する必要があります。
以下が企業がワーケーションを導入する際の課題です。
ワーケーションを実施するためには、旅行先での業務に必要なパソコンやスマホなどのツール、さらにシステムを用意することも重要です。特に通信環境については、社内システムへのアクセスやテレビ会議などへの参加に際して不可欠なので非常に重要です。
さらに、旅行先で使用するツールに関してのセキュリティ面についても、十分配慮しておく必要があります。情報漏洩を避けるためにも、通信環境のセキュリティチェックができるツールを準備するなどの対策が必要です。
そのため、企業はオフィスを離れるためのさまざまなシステムや機器の導入コストはもちろんのこと、ランニングコストについても配慮しながら検討しなければならないことを知っておきましょう。
ワーケーションという働き方の詳細と魅力、そして課題をご紹介しましたが参考になりましたでしょうか。
ワーケーションは、社員や企業の両方にとって魅力のある働き方ですが、どちらかというと社員にとってメリットが多いといえます。
例えば、静かなところで集中して仕事を行えば仕事の効率が大幅にアップする可能性がありますし、家族のいる方は、ワーケーションを利用することで家族旅行に行きやすくなります。
さらに、受け入れる地方や自治体にとっても地域が活性化する、関係人口の創出や拡大などの良い影響があるので、ワーケーションはこれからの時代にぜひ進めていきたい働き方です。
ただ、通勤ラッシュなどの密を避けられるという点ではワーケーションは非常に有効ですが、ワーケーションで訪れた場所で新型コロナウイルスに感染してしまうことも十分に考えられます。
万が一体調が悪化した際のことも考えて、旅行先には医療機関があるのかなどを事前にチェックすると良いでしょう。
今現在、リモート環境やルールの整備など、企業側のワーケーションの準備が整っていない場合もありますが、ワーケーションはひとつの選択肢になり得る働き方ですので、トライしてみる価値は十分にあるといえるのではないでしょうか。
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