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特集記事 2023.02.21
特集記事
2021.03.08
新型コロナウイルスの感染拡大防止対策として、多くの企業が取り入れることとなったため、耳にすることが多くなったリモートワークやテレワークといった言葉ですが、実際その二つにはどのような違いがあるのか?と疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
リモートワークやテレワークは、本来は働き方改革の一環として多様な働き方に対応するために、取り入れることを推進されていた制度です。
そもそも、リモートワークやテレワークが導入され普及し始めた背景にはさまざまな理由があります。さらに、これからリモートワークやテレワークを導入しようと考えている企業では、導入する際に注意すべき点もいくつかあります。
この記事では、リモートワークとテレワークの違い、必要な実態、導入時の注意点ご紹介します。
それぞれの言葉の使い分けを知りたいという方、企業として取り入れようと考えている方は是非参考にしてみて下さい。
結論から言うと、リモートワークとテレワークに大きな違いはありません。どちらもオフィス以外の場所で仕事をするという意味合いで使われる言葉で、多様な働き方に対応するための制度と言えます。
まずはリモートワークとテレワークについて詳しくご紹介します。
リモートワークとは「remote=遠隔」と「work=働く」を組み合わせた造語で、オフィス以外で働く形態を表していて、主にIT業界や個人事業主の間で使われている言葉です。
明確な定義はなくワークスタイルもさまざまで「リモート」というコンピューター用語として馴染みの深い言葉が使われていることから、IT業界で主に使われていると考えられています。
誕生してから日の浅い言葉ではありますが、日本では新型コロナウイルスの感染拡大防止対策として、リモートワーク以外にもリモート飲み会やリモート授業など、日常的に「リモート」という言葉を使うことが多くなっていることから、馴染みのある言葉になりつつあります。
テレワークとは「tele=(遠く離れた)」と「work(働く)」を組み合わせた造語で、リモートワークと違い、一般社団法人 日本テレワーク協会によって「情報通信技術(ICT)を活用した、場所や時間にとらわれない働き方」という明確な定義があります。
テレワークという言葉は1970年代から使われている歴史のある言葉で、日本では自治体や省庁、大企業ではこのテレワークという言葉が使われることが多いです。
日本テレワーク協会によって、テレワークの形態として定義されているのは以下の3つです。
在宅勤務とも呼ばれる勤務形態で、業務に取り掛かる場所が自宅である場合は自宅利用型テレワーク(在宅勤務)に該当します。
新型コロナウイルスの影響によって自粛を余儀なくされた際に、多くの方がこの在宅勤務によってテレワークを行っていましたが、本来は介護や育児で自宅にいる必要があるという方が行うという意味合いで使われていた言葉です。
モバイルワークは勤務場所に依存せずに、営業先への移動中や顧客先で業務に取り掛かるといった勤務形態です。
パソコンやタブレットがあればどこでも仕事ができるという業種の方が使うことが多く、カフェでの仕事もこのモバイルワークに当てはまります。
サテライトオフィスやレンタルオフィス、コワーキングスペースなどを使った勤務が、施設利用型テレワークに当てはまります。
多くの方が在宅勤務を経験し、難しさを感じているなかで、企業としてサテライトオフィスを設立するという動きが加速しています。
社員の自宅近く、営業先の近く、自然を感じることができる地方などにサテライトオフィスを設置することによって、社員が自分自身の選択で多様な働き方ができるようになるということで注目されています。
また、コワーキングスペースやシェアオフィスといった形態も増えていて、サテライトオフィスを持たない会社で在宅勤務が難しい、という方は、これらの施設を利用しています。
以前からリモートワークやテレワークを導入している企業がある一方で、2020年に入ってから導入したという企業も少なくありません。
まずは、リモートワークやテレワークが必要とされた背景をご紹介します。
リモートワークやテレワークが推進された大きな理由の一つに、新型コロナウイルスの感染拡大の影響が挙げられます。
全世界で感染の拡大が深刻化している新型コロナウイルスは、特に3密を避けるということが感染防止対策として推奨されていますが、満員電車やオフィス街の人出の多さ、オフィスの中での密集は特に問題視されています。
そのため、それらの場所の3密を避けるための有効的な手段として、リモートワーク、テレワークが推奨され、環境が整っていないながらもリモートワーク、テレワークを実施しているという企業も少なくありません。
新型コロナウイルス終息後も、リモートワーク、テレワークを導入した企業はそのまま制度を継続するであろうと考えられていて、今後も企業として環境の整備などに力を入れることが求められます。
2017年に働き方改革推進会議が内閣官房に設置され、処遇改善、労働時間の是正、柔軟な働き方の環境整備、多様な人材の活躍に関する「働き方改革実行計画」がまとめられたことで「働き方改革」という言葉が急速に認知されてきました。
さらに2019年4月に働き方改革関連法案の一部が施行され、企業にとっての重要な経営課題の一つとして認知されています。
働き方改革の定義とは「働く人びとが、個々の事情に応じた多様で柔軟な働き方を、自分で選択できるようにするための改革」とされていて「一億総活躍社会を実現するための改革」です。
一億総活躍社会とは、50年後も人口一億人を維持し、誰もが家庭で、職場で、地域で生きがいを持って生きることとされています。
働き方改革が推進されることになった背景には、労働力の主力と言われる生産年齢人口(15~64歳)の減少があります。
現在のままの出生率と減少率が続くようでは、2050年には総人口が9000万人前後になると言われていて、結果的に生産年齢人口はピーク時の半分ほどまで落ちると想定されます。そのため、このままでは日本全体の生産力が低下してしまうことを避けられないとして、働き方改革が推進されています。
そのような背景から、長時間労働の改善や36協定の見直し、非正規社員と正社員の格差是正や、高齢者の就労促進がポイントとなってくるのですが、そのためには働き方を多様化すことによって、育児中、介護中、高齢者の方でも働きやすい社会を目指す必要があります。
リモートワークやテレワークは、働き方改革の働く人の多様化という部分に大きく貢献できる施策で、どうしても家で仕事がしたいという方や、通勤時間を短縮させたいという方の離職を防ぐことができ、結果的に生産人口を増やすことに繋がると考えられています。
さまざまな背景から、リモートワークやテレワークを導入すべきと考えている企業の担当者方に向けて、ここからはリモートワークやテレワーク導入時の注意点をご紹介します。
リモートワークやテレワークを導入することによって、勤怠管理が難しくなります。実際にオフィスで働いていれば、どの程度働いているのかが明確にわかりますが、社外で勤務をするとなると、勤怠の管理はより一層強める必要があります。
勤怠の管理に関しては、クラウドの勤怠管理ツールなども存在するので、ツールをうまく活用することで社員の勤怠を把握することができます。
数ある勤怠管理ツールの中には、給与システムと連動しているものや、作業状況の記録ができるものなどさまざまなタイプがあるので、自社にとって最適なツールを選ぶようにしましょう。
さらに、評価体制の難しさも問題になっていて、勤務している姿を見ることができないので、評価の基準は成果のみになってしまうということも考えられます。
成果が目に見えてわかる営業職などの業種の方は評価をしやすいのですが、バックオフィス系の職種の方になると、目に見える評価がわかりにくく、労働時間が評価の対象になり得ることもあります。
評価の基準が不明確であることは、社員のやる気を削ぐことにも繋がります。リモートワークやテレワークを導入する際には、評価の基準は成果物なのか、業務内容のクオリティなのか、等といった基準を明確にする必要があります。
福利厚生とは、賃金にプラスして社員に提供される制度やサービスなどを指します。通勤手当や住宅手当などが一般的ですが、リモートワークやテレワークの導入にあたり、さまざまな福利厚生を実施している企業も増えています。
通勤手当を支給する必要が無くなる代わりに、自宅で仕事をするための機器の購入や、環境の整備をする必要性が出てきます。
コロナ禍で在宅勤務を余儀なくされた社員に向けて、在宅勤務手当を支給しているという企業は多く、その額は月1~6万円と企業によって大きく差がありますが、在宅勤務手当があることによって、自宅の環境を整えることや、通信費などにも利用することができます。
さらに、企業によってはユニークな福利厚生があり、リモートワーク、テレワーク用の椅子を提供する、自社製品の割引制度を拡大する、といった制度を取り入れている例もあります。
福利厚生の代行サービスにも注目が集まっていて、デスクや椅子を割引できるサービスや、自宅にランチを届けてくれるサービスなども存在します。
社員の在宅ワークの環境をより快適なものにするためにも、さまざまな福利厚生サービスを導入する必要があります。
リモートワークやテレワークになることによって、今まで社内で顔を合わせて円滑に行われていたコミュニケーションが取れなくなる可能性があります。
そのため、離れた場所にいてもコミュニケーションがとれるITツールを使用する必要があります。
以下のようなツールがコミュニケーションを円滑に行うために必要です。
おすすめのWeb会議システムは「Zoom ミーティング」です。世界最高水準のWeb会議システムとして世界中で利用されているツールで、参加者同氏がメモを共有することができるホワイトボード機能や、相手画面の遠隔操作なども可能で、プランによって異なりますがWeb会議をするにあたって必要な機能が多数あります。
ビジネスチャットツールとは、業務内容を伝達する、タスクを管理するなど迅速なコミュニケーションを図ることが可能なICTツールです。従来のメールでのやり取りに比べ、コストを抑えつつ相手に伝えたい内容を端的にメッセージで送ることができるので、堅苦しいビジネス作法などは不要です。
リモートワークやテレワークでは、離れた場所で連絡を取り合うことになるため、社内で行っていたスケジュール管理が非効率になってしまうことがあります。Googleカレンダーなど、社員の予定を一目で把握し管理、共有できるようなツールを活用することが必要です。
リモートワークとテレワークの違い、必要な実態、導入時の注意点をご紹介しましたが、参考になりましたか?
リモートワークとテレワークに大きな違いはないものの、政府が使っている言葉としてはテレワークがメインになるので、助成金や補助金について調べたいという方はテレワークという言葉で調べることで正しい情報を得ることができます。
新型コロナウイルスの感染拡大によって急速に取り組むこととなった、リモートワークやテレワークですが、環境の整備をしないまま取り組むことで、社員の意欲の低下にも繋がりかねません。
これからリモートワークやテレワークに取り組もうという企業の担当者の方や経営者の方、既に取り組んでいても環境の整備が不十分だという方も、是非この記事を参考にさまざまなツールを活用しながら企業として制度を確立させていきましょう。
また、最近注目されているワーケーションという働き方改革もありますので、こちらもチェックしてみてください。
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