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2021.03.01

サテライトオフィスとは?事例や自治体からのサポート制度を紹介

働き方の多様化が急ピッチで進むなか、社員の柔軟な働き方に対応できるとして注目されているサテライトオフィスをご存知ですか?

オフィスの所在地を変えたり増やしたりすることで、多様な働き方に柔軟に対応できるとして注目されているサテライトオフィスは、小規模オフィスとなることが多いので、新型コロナウイルス対策としても、密を避けられるオフィスとして有効です。

この記事では、サテライトオフィスの種類と成功事例、自治体からのサポート制度事例についてご紹介します。

サテライトオフィスについて知りたいと考えている方は、是非参考にしてみて下さいね。

サテライトオフィスの種類

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サテライトオフィスとは、企業の本社から離れた場所に設置されたオフィスを指し、小規模なオフィスとなります。

サテライトオフィスの目的は、従業員の働きやすさや利便性を考えたオフィスを作るということで、従業員の選択肢の拡大を目指しています。

まずはサテライトオフィスにはどんな種類があるのかを詳しくご紹介します。

都市型

都市型サテライトオフィスは、都市部の主要拠点に近い場所に設置されているサテライトオフィスで、本社のオフィスを経由せずに営業活動に取り組むことができる環境が整っています。

本社の機能を分散させることによって、社員の出勤コストを削減したり、災害発生時のBCP対策に繋がるという効果も期待できます。

通勤時間を短縮できることによって、理想のワークライフバランスを実現でき、従業員満足度の向上にも直結します。

郊外型

郊外型サテライトオフィスは、都市部に本社を持つ企業が郊外にオフィスを構えることを指します。郊外にオフィスを構えることによって、都心に通勤していた社員の通勤コストを減らすことができます。

通勤時間が短縮されることで、人によっては育児や介護に割ける時間が増え、より多様な働き方を実現できるようになります。

オフィスでしかできない作業はオフィスへ出社するなど、フレキシブルな働き方ができることで、社員の離職率を抑えることにも繋がります。

地方型

地方型サテライトオフィスは、都市部に本社がある企業が地方にオフィスを構えるというものです。

地方における新たなビジネスをスタートさせたり、事業を拡大したりすることに繋がります。

さらに従業員の働き方にも大きな変化が生まれ、自然に囲まれた暮らしをすることによってワークライフバランスを保つことに繋がり、生産性の向上を期待することもできます。

地方でのサテライトオフィスの設置には以下のようなさまざまなメリットがあります。

  • 子育て環境が良い
  • 地方創生への貢献
  • 災害時のリスク分散
  • 多様な人材の確保
  • 新規顧客の開拓

地方にサテライトオフィスを設置することにで、限界集落や高齢化を悩みとして抱えている地方への社会貢献をすることができます。

さらに、二か所以上での就業を実現することには、BCP対策にもなり、地域に根差した営業活動の実施によって新規顧客の開拓や、その地方での多様な人材確保が期待できます。

サテライトオフィスの事例

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すでにさまざまな企業がサテライトオフィスを導入していますが、どのような事例があるのでしょうか?

ここからは、都市型、郊外型、地方型のサテライトオフィスの事例をご紹介します。

日立製作所(都市型)

日立製作所は、2016年から働き方改革を推進していて、Skype用のヘッドセットやマイクスピーカー、液晶ディスプレイの配布、会議のオンライン化やペーパーレスに取り組むといった、どこでも仕事ができる環境を整えてきました。

1999年に制定されたテレワークは、限られた人しか利用していなかった制定当初に比べ、現在は利用可能な社員は全体の約7割に及び、自由度の高い働き方を推進しています。

さらに、業務に対して時間だけではなく場所もフレキシブルに決められるように、テレワークだけではなくサテライトオフィスを設置することで、場所の選択肢を広げるという取り組みも実施しています。

2019年10月時点で利用できるサテライトオフィスは「Biz Terrace」が10拠点、「ZXY」が54拠点の計64拠点もの場所で展開していて、日立グループ全体で月間5~6万人が利用しています。

「Biz Terrace」にはオフィスと同等のセキュリティ環境が整えられていて、パソコンも完備されているため社員の人気も高く、多くの社員が利用するサテライトオフィスになっています。

日立のアンケート調査によると、サテライトオフィス利用者の4割が通勤時間や移動時間の短縮を実感していて、25%が隙間時間に利用しているという結果が出ています。

勤務先とサテライトオフィスを併用しながら、仕事のペースに合わせてうまく利用しているという方が多いようです。

りそな銀行(郊外型)

りそな銀行では2019年7月に、東京、大阪、埼玉で閉店した計11店舗をサテライトオフィスとして開設し、本店まで出勤せずに自宅近くの店舗で仕事をするという試みを実施。

働き方改革の一環とともに、来店客数が減ってしまった銀行の有効利用をしようという施策で、育児や介護を抱える従業員が活用しているといいます。

実際にサテライトオフィスを利用している方は、通勤や残業の時間が減り業務に集中できるようになったと回答しています。利用者の2~3割程度の方からは業務効率が上がったという意見が出るなど、働き方改革によって業務効率の改善にも効果を発揮しています。

Sansan株式会社(地方型)

名刺管理のクラウドサービスを提供するSansan株式会社は、徳島県に古民家を改修したサテライトオフィス「Sansan神山ラボ」を開設しています。

2名が常駐しているサテライトオフィスで、東京本社には月に一回程度出社することがあるそうですが、それ以外はオンラインでのコミュニケーションを取っているとのこと。

さらに東京本社の社員が、リフレッシュのためにSansan神山ラボに訪れたり、新入社員の研修に使われたりと、社員の憩いの場として使われています。

常駐している2名の社員は、地域住民の方との繋がりを大事にしていて、地元のイベントに参加するなど積極的に交流を深めています。

都会の人混みや喧騒が苦手だという方は、地方のサテライトオフィスで働くことによって、ワークライフバランスが整い、仕事でのパフォーマンスも上がるという良い結果をもたらすこともできるのです。

自治体からのサポート制度も充実

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地方でサテライトオフィスを開設することによって、自治体からさまざまなサポートを受けることができます。

ここからは、実際に行われている熊本県、長野県、新潟県の例とともに自治体からのサポート制度の実例をご紹介します。

また、下記の記事でも事例や導入のポイントをご紹介していますのでこちらもあわせて参考にしてみてください。

サテライトオフィス導入を成功させる5つのポイントと事例を紹介

熊本県「芦北サテライトオフィス計石」

対象者

地方へサテライトオフィスの設置を検討しているIT関連企業

要件

・本社から1人以上配置、または新規に1人以上雇用
・事業所の設備費用や設備投資額100万円以上

設備投資

設備等の購入やリース費用、内装工事などの設備費用の1/3を補助(補助上限300万円)

事業所の家賃補助

事務所となる建物の家賃の半分を4年間補助

ネット使用料補助

事業に必要な通信回線やクラウドサービス使用量の半分を4年間補助

雇用補助

新規雇用1人あたり15万円/年(町内雇用1人あたり10万円上乗せ)※3年間

旅費の補助

町から対象事業所として指定された日から、事業所の開設までに要した本社所在地から芦北町までの往復旅費(上限20万円)

熊本県芦北町は、熊本県の南部に位置し、緑豊かな山々と海に囲まれている地域で、温暖な気候から甘夏みかんやデコポンの産地として知られています。

温泉施設も多く、海を眺めながらの散歩は心を穏やかにしてくれること間違いなしです。

そんな芦北町に開設されている芦北サテライトオフィス計石は、廃校になった小学校を使った施設で、校庭の先には海が広がるという魅力的な空間です。

熊本電力株式会社、株式会社WEB TATE、Fun Tech株式会社がこの芦北サテライトオフィス計石でサテライトオフィスを開設していて、常駐で1名以上の社員が勤務しています。

長野県「南信州サテライトオフィス」

対象者

・IT産業
・創業後3年以上経過していること
・5人以上の常勤雇用者を有していること

要件

・県内に事業所を新設すること
・長野県SDGs推進企業登録制度に登録すること

設備投資

建物や設備機器の取得費用の10~40%

事業所の家賃補助

賃料の50~60%を契約から最大3~5年分補助

ネット使用料補助

インターネット環境整備費補助

雇用補助

新規常勤雇用者(県内在住)の雇用1人あたり30~110万円

旅費の補助

町から対象事業所として指定された日から、事業所の開設までに要した本社所在地から芦北町までの往復旅費(上限20万円)

長野県の最南端に位置し、東に南アルプス、西に中央アルプスがそびえる豊かな自然と素晴らしい景観が魅力の飯田市は、市田柿、りんご、なしなどの果物を中心とする農業が盛んで、漬物や味噌、酒などの食品が有名です。

天竜川の川下りや元善光寺、しらびそ高原など、観光名所も多数存在するので、市内を歩いているだけでも楽しめる環境です。

さらに南信州には、さまざまな技術を持っている電子、精密機器産業や、多様性に富んだ地勢を活かした農林業など、自身のアイディアを活かせるフィールドがあります。

地域の方と一体になって産業の活性化に取り組むなど、飯田市でしかできないビジネスを展開することができます。

詳しくは、飯田市のサテライト情報や、飯田市ホームページにて確認することができます。

新潟県「長岡市サテライトオフィス」

対象者

長岡市内に本社及び支社等を有していない企業でBCPに基づき、市内にサテライトオフィスを開設する次のいずれかに該当する方
・本社機能の一部を長岡市に移転して事業を行う方
・市内の企業や4大学1高専と連携し、デジタル技術を活用しながら地域の産業創出を進める協創型の事業を行う方

要件

・サテライトオフィスを開設してから3年以内に、長岡市に住所を有する正社員を雇用する見込みがあること
・サテライトオフィスとして3年以上継続して維持、運営できる見込みがあること
・市区町村税に滞納がないこと

設備投資

5%助成

事業所の家賃補助

20~60% 最大3年間助成

雇用の補助

・現地新規雇用社員の人件費:年間人件費20%×5年間+初年度最大300万円助成
・人材確保費用の20%を5年間助成

旅費の補助

視察費用100% 最大15万円支給

税制優遇

法人県民税、法人事業税、不動産取得税、法人税の優遇

新潟県長岡市は、上越新幹線や北陸自動車道といった交通の便が良く、東京から最短90分で行くことができる場所です。

日本三大花火大会の一つである、長岡まつり大花火大会や、お米の生産が盛んなことでも有名です。米の産出額は全国2位、米菓の全国売上3位、酒造数は全国2位の16蔵となっています。

地方にサテライトオフィスを作ることは、首都圏で万が一の災害発生時にもリスクを分散することができ、事業継続性を担保することが可能です。

長岡市では、地震や水害の被害を最小限にするために、長岡市防災体制検討委員会が設置され、長岡市防災体制強化の指針が策定されていて、地震、水害、雪災、医療についてのさまざまな対策がされています。

詳しくは新潟県長岡市サテライトオフィス進出のご案内で確認することが可能です。

まとめ

サテライトオフィスの種類と成功事例、自治体からのサポート制度事例についてご紹介しましたが、参考になりましたか?

新型コロナウイルスの感染拡大によって、もともと取り組まれていた働き方改革がより一層推進されることとなりました。

テレワーク、モバイルワーク、コワーキングスペースの活用などが進むなかで、オフィスをもっと生産性の高い場所にしようという、サテライトオフィスという考え方に対する関心も高まっています。

新型コロナウイルス対策として密集を避けることも可能なサテライトオフィスに対して、各自治体でさまざまな支援を行っています。

サテライトオフィスを検討しているという経営者の方は、まずは自治体のサポートを利用しながら、試験的な運用によって効果の計測をしてみるというのも一つの手段と言えます。

従業員の働き方が多様化するなかで、生産性が高く従業員満足度が向上できる可能性のあるサテライトオフィスを是非検討してみて下さい。

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